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牛肉部位一覧|スーパーで迷わない13部位の特徴・カロリー・焼き方ガイド

「カルビとロースって結局どこの肉?」「ヒレとサーロイン、値段がこんなに違うのはなぜ?」——スーパーの精肉コーナーや焼肉店のメニューを前に、部位名の多さに戸惑った経験はありませんか。牛肉は1頭からおよそ40以上の部位に分けられ、名前も産地や店によって呼び方が変わるため、慣れないと迷子になりがちです。

結論から言うと、牛肉の部位はまず農林水産省の基準で「9部位」に、取引規格で「13部位」に整理されています。この骨組みさえ頭に入れれば、あとは枝分かれした希少部位も「背中の肉」「お尻の肉」と位置でつかめるようになります。この記事では、部位の分類・特徴・100gあたりのカロリーとタンパク質・焼き方のコツまで、公的データをもとに一気にわかるよう整理しました。

読み終わるころには、肉売り場のラベルを見ただけで「これは赤身寄りだから焼きすぎ注意だな」と判断できるようになっているはずです。それでは、牛肉の部位一覧を一緒に見ていきましょう。

📌 この記事でわかること

・農林水産省が定める牛肉の基本9部位と取引規格13部位の全体像
・背中・肩・バラ・モモそれぞれの部位の特徴と見分け方
・部位別の100gあたりカロリー・タンパク質・脂質(食品成分表の数値)
・部位ごとに変わる焼き方のコツと、やりがちな失敗の防ぎ方

目次

牛肉部位一覧の基本|まず覚えたい「9部位」と「13部位」

牛肉の部位を丸暗記する必要はありません。まずは大枠の分類を押さえるのが、迷わないための一番の近道です。

スーパーの表示は「9部位」で統一されている

精肉売り場のラベルがバラバラに見えて、実は統一ルールがあります。農林水産省の「食肉小売品質基準」では、牛肉の部位表示を「カタ・カタロース・リブロース・サーロイン・ヒレ・バラ・モモ・ソトモモ・ランプ」の9部位に整理するよう定めています。これは消費者がどの店でも同じ名前で肉を選べるようにするためのルールです。だからスーパーで「カタロース」と書かれていれば、店が違っても同じ位置の肉を指しています。ただし焼肉店ではこの9部位をさらに細かく切り分けた独自の呼び名(カルビ、ミスジなど)を使うため、売り場と店で名前が食い違って見えるだけなのです。まずは「公式は9部位」と覚えておくと混乱しません。

プロが使う「13部位」の取引規格とは

9部位の一歩先が、業者間で肉を売買するときの「牛部分肉取引規格」です。これは先ほどの9部位に「ネック」と「スネ」を加え、さらに「バラ」を肩側のカタバラと腹側のトモバラに、「モモ」を内側のウチモモと球状のシンタマに分けた13部位です。なぜ細かく分けるかというと、同じバラでも肩寄りと腹寄りでは脂の入り方や適した料理が変わるからです。実際に肉のプロは、この13区分をもとに「トモバラは焼肉、スネは煮込み」と用途を判断しています。私たちが図鑑的に部位を理解するときも、この13部位を骨組みにすると枝葉の希少部位が整理しやすくなります。

「大きな塊→細かい部位」の順で覚えると失敗しない

部位名を覚えようとして挫折する人の多くは、いきなり希少部位から暗記しようとします。おすすめは逆で、まず牛の体を「背中・肩・お腹・お尻&脚」の4ブロックに分け、その中に何があるかを紐づける方法です。たとえば背中には前からリブロース・サーロイン、その内側にヒレ。肩にはカタとカタロース。お腹にバラ。お尻と脚にモモ・ランプ・ソトモモ・スネ、という具合です。この地図が頭に入っていれば、「ザブトンってどこ?」と聞かれても「肩ロースの一部」とたどれます。逆に位置を無視して名前だけ覚えると、買い物のたびに混乱するので注意しましょう。牛肉全体の分類は農林水産省「お肉丸わかり図鑑」でも図解されています。

背中の高級部位はどこが違う?リブロース・サーロイン・ヒレ

ステーキや高級焼肉の主役は、ほとんどが牛の背中に集まっています。この3部位の違いがわかれば、メニュー選びが一段と楽しくなります。

リブロースは「霜降りの王様」

厚切りステーキで断面いっぱいに脂が入っているのがリブロースです。背中の前寄り、肩ロースとサーロインの間に位置し、細かなサシ(霜降り)が入りやすいのが特徴です。理由は、ここが運動量の少ない筋肉で、筋繊維の間に脂肪が蓄積しやすいから。100gあたり約380kcal・脂質37.1g(乳用肥育牛・脂身つき生/日本食品標準成分表)と、部位の中でもトップクラスの高カロリーです。すき焼きやしゃぶしゃぶで「とろける」と表現されるのはこの脂のおかげ。ただし脂が多いぶん、たくさん食べると重く感じやすいので、1人前は薄切り4〜5枚程度にとどめるのが上品な楽しみ方です。

サーロインは「霜降りと赤身のバランス型」

「ステーキといえばサーロイン」と言われるのは、脂の甘みと赤身の旨みがちょうど中間だからです。リブロースの後ろ、腰のあたりに位置し、100gあたり約313kcal・タンパク質16.5g・脂質27.9g(同・八訂)。リブロースより少しだけ脂が控えめで、赤身の食べ応えも残っています。見分け方は、赤身の中に細かいサシが網目状に入り、外周に白い脂身の帯があること。焼肉やステーキで「霜降りは好きだけど脂だけだと飽きる」という人にちょうど良い部位です。厚みがあるほど火入れが難しくなるので、家庭で焼くなら2cm以内の厚さを選ぶと失敗が減ります。

ヒレ(シャトーブリアン)は「赤身の最高峰」

ヒレは牛の背骨の内側にある、ほとんど運動しない筋肉です。だからきめが細かく、赤身なのに驚くほど柔らかい。100gあたり約177kcal・タンパク質20.8g・脂質11.2g(乳用肥育牛・赤肉・生、八訂)と、高級部位でありながら低脂質・高タンパクという珍しい存在です。中でも中央のもっとも太い部分が「シャトーブリアン」で、牛1頭から約600gしか取れない希少部位。柔らかさを活かすため、焼きすぎは禁物です。表面を強火で香ばしく焼き、中はミディアムレアに仕上げるのが定番。脂が少ないぶん火を通しすぎるとパサつくので、赤身の火入れに自信がない人は薄めに切って短時間で仕上げましょう。

🥩 部位スペックカード(サーロイン)

部位の位置 背中の後ろ寄り・腰の上部(リブロースの後方)
カロリー(100gあたり) 約313kcal(乳用肥育牛・脂身つき生)
タンパク質・脂質 タンパク質16.5g/脂質27.9g
食感・味の特徴 きめ細かく柔らかい。脂の甘みと赤身の旨みが両立
おすすめの厚み 家庭のステーキなら2cm以内が焼きやすい
おすすめ調理法 ステーキ・すき焼き・厚切り焼肉
比較項目 サーロイン リブロース ヒレ
霜降りの多さ ◎◎ △(赤身)
カロリー(100g) 313kcal 380kcal 177kcal
柔らかさ
向いている料理 ステーキ すき焼き ステーキ

肩まわりの部位は実はコスパ抜群?カタ・カタロース・希少部位

「安いのに旨い」を狙うなら、注目すべきは肩まわりです。よく動く部位ゆえの旨みと、そこに潜む希少部位が魅力です。

カタ(肩)は煮込みで真価を発揮する赤身

肩は牛がもっともよく動かす部位のひとつで、筋肉質でやや硬めの赤身です。だからステーキには不向きですが、旨み成分(コラーゲン)が豊富で、じっくり煮込むとほろほろに柔らかくなります。カレーやシチュー、ビーフストロガノフに「煮込み用」として売られている角切り肉の多くがこのカタです。見分け方は、赤身が濃く筋が目立つこと。価格も背中の部位より手頃なので、コスパ重視の人には強い味方です。注意点は、短時間の加熱では硬さが残ること。「安いステーキ肉」として買って強火でさっと焼くと失敗しやすいので、用途を煮込みに絞るのが賢い選び方です。

カタロースは「肩なのに霜降り」の万能選手

同じ肩でも、背中に近い上部にあるのがカタロースです。よく動く肩の中では比較的サシが入りやすく、100gあたり約295kcal・脂質26.4g(乳用肥育牛・脂身つき生/八訂)と、リブロースに次ぐ濃厚さを持ちます。すき焼き・しゃぶしゃぶ・焼肉と何にでも使える万能部位で、スーパーでも「肩ロース」として広く流通しています。見分け方は、赤身の中に脂が網目状に入りつつ、中央に太い筋(線維の束)が1本通っていること。この筋は加熱で縮んで丸まりやすいので、焼肉なら筋に対して直角に切ると口当たりが良くなります。価格と味のバランスが良く、迷ったらこれ、という部位です。

ミスジ・ザブトンなど「肩の希少部位」を狙う

肩ロースやカタを細かく切り分けると、希少部位が現れます。代表格がミスジ。肩甲骨の内側にあり、牛1頭から約3kgしか取れません。中央に葉脈のような筋が1本入り、その周りの肉が驚くほど柔らかく脂の口溶けが良いのが特徴です。もう1つがザブトン(肩ロースの一部)で、こちらも霜降りが豊かで焼肉店の人気メニュー。これらは「肩=硬い」という先入観を裏切る部位です。実は、よく動く肩だからこそ一部に旨みの濃い柔らかな肉が生まれる——これが肩まわりの面白さです。焼肉店で見つけたらぜひ試したい部位ですが、脂の口溶けを活かすため加熱は片面をさっと炙る程度にとどめましょう。

Q. 「肩ロース」と「カタロース」は違う肉ですか?
A. 同じ部位です。農林水産省の表示基準では「カタロース」と表記しますが、スーパーや飲食店では「肩ロース」と呼ぶことが一般的で、指している肉は同一です。呼び方が違うだけなので、どちらを見ても背中に近い肩の上部の肉だと考えて大丈夫です。

バラ肉が焼肉で人気の理由|カルビの正体を知る

焼肉の定番「カルビ」。その正体はお腹まわりのバラ肉です。脂と赤身が層になった、あの魅力を分解してみましょう。

カタバラとトモバラ|同じバラでも別物

バラは牛のお腹の肉で、取引規格では肩寄りのカタバラと後ろ寄りのトモバラに分けられます。両者は同じ「バラ」でも性格が違います。カタバラは赤身と脂が層状で、こってりしつつ肉の食べ応えが残るタイプ。トモバラはさらに脂が豊かで、焼肉の「カルビ」として使われる中心はこちらです。100gあたり約381kcal・脂質39.4g(乳用肥育牛・脂身つき生/八訂)と全部位でトップクラスの高カロリーで、これがカルビの満足感の正体です。見分け方は、赤身と脂の縞模様がはっきりしていること。脂が多いぶん、白ご飯やタレとの相性が抜群です。

三角バラ・カイノミなど層状の希少部位

バラを細かく分けると、焼肉店で人気の希少部位が出てきます。「三角バラ」は肩バラの一部で、霜降りが濃く「特上カルビ」として供されることが多い部位。カイノミはバラとモモの境目にある部位で、バラの旨みとヒレのような柔らかさを併せ持つのが特徴です。これらは「カルビ=脂だけ」というイメージを超えた、赤身の旨みも楽しめる部位です。共通するのは、脂が多いので火加減がポイントになること。強火で長く焼くと脂が落ちすぎて硬くなるため、中火で表面をこんがり、脂がじゅわっと透き通ったら食べごろです。タレ・塩どちらでも合いますが、良い肉ほど塩で脂の甘みを味わうのがおすすめです。

ハラミは「バラ」ではなく横隔膜

焼肉でカルビと並んで人気のハラミ。バラの近くで売られるので混同されがちですが、実は正体は横隔膜という筋肉で、分類上は内臓(ホルモン)に近い部位です。見た目は赤身のようで、脂は程よく、適度な弾力とジューシーさが持ち味。「赤身の食べ応えは欲しいけど脂は控えめがいい」という人に人気です。同じ横隔膜でも背中側の厚い部分を「サガリ」と呼び分ける店もあります。ハラミは筋繊維がしっかりしているので、繊維を断つように切ってあるものを選ぶと柔らかく食べられます。焼くときは中火で片面をさっと、返してもう片面を軽く——焼きすぎると急に硬くなるので、ミディアム程度で止めるのがコツです。

赤身好き必見!モモ・ランプ・ソトモモの見分け方

ヘルシー志向や赤身好きが最終的にたどり着くのが、お尻から脚にかけての部位です。低脂質で旨みの濃い赤身の宝庫です。

モモ(ウチモモ・シンタマ)は高タンパク低脂質の代表

モモは牛の後ろ脚の付け根で、取引規格では内側のウチモモと球状のシンタマに分かれます。よく動く部位なので脂が少なく、100gあたり約196kcal・タンパク質19.5g・脂質13.3g(乳用肥育牛・脂身つき生/八訂)と、高タンパク低脂質の代表格です。ローストビーフやたたき、赤身ステーキに向いています。見分け方は、脂身が少なく赤身がぎゅっと詰まっていること。注意点は、脂が少ないぶん加熱で硬くなりやすいこと。ローストビーフのように低温でじっくり火を入れるか、薄切りにしてしゃぶしゃぶにするなど、「強火で一気に焼かない」調理が向いています。ダイエット中にタンパク質を摂りたい人の第一候補です。

ランプ・イチボは「赤身なのに柔らかい」お得部位

お尻の上部にあるのがランプ、その隣の臀部にあたるのがイチボです。どちらも赤身主体ですが、モモよりきめが細かく柔らかいのが魅力。ランプは100gあたり約234kcal・タンパク質18.6g・脂質17.8g(同・八訂)で、赤身の旨みと程よい脂を両立します。イチボはサーロイン側では霜降りが豊かで甘く、外もも側は赤身と霜降りのバランスが良い、部位の中でも表情豊かな肉です。見分け方は難しいので、精肉店で「ランプ」「イチボ」と表示されたステーキ用を狙うのが確実。「サーロインは高いけど赤身だけだと物足りない」という人に、コスパよく満足感を得られる隠れた名部位です。

ソトモモ・ネック・スネは煮込みで化ける

脚のさらに外側や首、脛(すね)にあたるのが、もっとも運動量の多い硬い部位です。ソトモモは赤身が締まり、薄切りにして炒め物や切り落としに。ネック(首)とスネ(脛)は筋が多く硬い反面、コラーゲンが非常に豊富で、長時間煮込むととろけるようなゼラチン質に変わります。ビーフシチューや牛すじ煮込み、ポトフで真価を発揮する部位です。見分け方は、赤身が濃く筋(白い線)がはっきり入っていること。注意点は、これらを焼き肉やステーキで食べようとすると硬さが際立つこと。「安いから」とステーキ用に選ぶのは失敗のもと。用途を煮込みに割り切れば、コスパよく濃い旨みを楽しめる部位になります。

📌 シーン別・部位の選び方

とにかく柔らかさ重視→ヒレ・ミスジ
脂の甘みを楽しみたい→リブロース・トモバラ(カルビ)
ヘルシーにタンパク質→モモ・ヒレ
コスパよく満足感→カタロース・ランプ
じっくり煮込み料理→カタ・スネ・ネック

カロリー・タンパク質で選ぶ|スーパーで迷わない部位の選び方

「どの部位を選ぶか」は、味だけでなく栄養で決めるのも一つの手。ここでは部位ごとの数値を並べて、目的別の選び方を整理します。

【お肉の教科書調べ】部位別カロリー・栄養一覧表

下の表は、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の「乳用肥育牛肉・脂身つき・生(ヒレのみ赤肉・生)」100gあたりの数値をもとに、当ブログが部位別に並べ替えたものです。同じ牛肉でも、部位によってカロリーが2倍以上変わることが一目でわかります。

部位 エネルギー タンパク質 脂質
ヒレ 177kcal 20.8g 11.2g
もも 196kcal 19.5g 13.3g
ランプ 234kcal 18.6g 17.8g
ひき肉 251kcal 17.1g 21.1g
かたロース 295kcal 16.2g 26.4g
サーロイン 313kcal 16.5g 27.9g
リブロース 380kcal 14.1g 37.1g
ばら 381kcal 12.8g 39.4g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」乳用肥育牛肉・脂身つき・生(ヒレのみ赤肉・生)/お肉の教科書調べ。品種・個体・脂身の量で数値は変動します。

ダイエット中に選ぶべきはヒレとモモ

体づくりやダイエットで牛肉を選ぶなら、答えはヒレとモモです。上の表の通り、ヒレは100gあたり177kcal・タンパク質20.8gで、脂質は11.2gと最も低い部類。モモも196kcalで高タンパクです。理由はシンプルで、どちらも運動量が多く脂肪が少ない筋肉だから。一方でバラやリブロースは同じ100gでも380kcal前後と2倍以上あり、脂質が40g近くに達します。とはいえ「脂=悪」ではありません。脂の多い部位は少量でも満足感が高く、食べ過ぎ防止になる面もあります。ポイントは量の調整で、赤身部位は150〜200gしっかり、脂の多い部位は100g前後に抑える、と使い分けると無理なく続けられます。

牛肉は「亜鉛・鉄」の補給源としても優秀

牛肉の魅力はタンパク質だけではありません。文部科学省の食品成分データベースによると、和牛かたロース(赤肉・生)100gには亜鉛5.6mg・鉄2.4mgが含まれます(100gあたり293kcal・タンパク質16.5g・脂質26.1g)。亜鉛は味覚や皮膚の健康、鉄は血液の材料として知られる栄養素で、いずれも赤身肉に多く含まれます。特に牛肉の鉄は「ヘム鉄」と呼ばれ、植物性食品の鉄より体に取り込まれやすいのが特徴です。だから「野菜中心だけど貧血気味」という人にとって、赤身の牛肉は心強い味方になります。数値の詳細は食品成分データベースで部位ごとに確認できます。ただし栄養は食事全体のバランスで考えるもの。牛肉に偏らず、野菜や穀物と組み合わせて楽しみましょう。

部位で変わる焼き方と、やりがちな失敗の防ぎ方

同じ「焼く」でも、脂の多い部位と赤身では正解が真逆です。部位に合った火入れを知れば、家焼肉のレベルが一段上がります。

脂の多い部位は「中火でじっくり脂を溶かす」

カルビ・リブロース・カタロースなど霜降りの部位は、脂をどう扱うかが勝負です。結論は「中火でじっくり」。強火で一気に焼くと表面だけ焦げて脂が溶けきらず、脂っこさだけが残ってしまいます。中火で片面をこんがり焼き、脂がじゅわっと透き通ってきたら返すのが目安。厚み1cmのカルビなら、中火で片面1分〜1分半ずつが目安です。網焼きなら脂が落ちて香ばしくなり、フライパンなら余分な脂をキッチンペーパーで拭き取ると重さが和らぎます。良い霜降りほど余熱でも火が入るので、「焼きすぎかな」と思う一歩手前で引き上げるのが、とろける食感を守るコツです。

赤身部位は「強火で短時間、中はレア寄り」

ヒレ・モモ・ランプなどの赤身は、脂の少なさゆえに火を通しすぎるとパサつきます。だから正解は「表面を強火で手早く、中はレア〜ミディアム」。表面を高温で香ばしく焼き固めて肉汁を閉じ込め、中心は火を入れすぎないのがコツです。厚さ2cmのステーキなら、強火で片面1分ほど焼いて焼き色をつけ、弱火に落として1〜2分、あとは余熱で仕上げるイメージ。焼く前に室温に戻し、焼いた後にアルミホイルで数分休ませると、肉汁が全体に行き渡って驚くほどしっとりします。赤身は「焼く」より「火を入れすぎない」意識が、柔らかさを保つ最大のポイントです。

よくある2つの失敗と、その対策

家焼肉で多い失敗の1つ目は「冷蔵庫から出してすぐ焼く」。冷たいまま焼くと表面は焦げても中心が冷たいままになり、火加減の判断を誤りがちです。対策は、焼く30分前に室温に戻すこと。2つ目は「安い赤身をステーキで強火長時間」。カタやスネのような煮込み向き部位を焼き物にすると、硬くて噛み切れない仕上がりになります。対策は、部位に用途を合わせること——赤身の硬い部位は煮込み、柔らかい部位は焼き物、と割り切るだけで失敗が激減します。部位の個性を無視した調理こそが、最大の失敗要因なのです。

🔥 赤身ステーキを柔らかく焼く手順

Step1:焼く30分前に冷蔵庫から出し、肉を常温に戻す
Step2:焼く直前に塩・こしょう。フライパンを煙が出る手前まで強火で熱する
Step3:強火で片面約1分、焼き色をつける。返して弱火で1〜2分
完成! アルミホイルで数分休ませ、肉汁を落ち着かせてから切り分ける
⚠️ 注意:牛肉の生食・加熱について

牛肉の内部にも食中毒菌が付着している場合があり、特に子ども・高齢者・妊娠中の方などは十分な加熱が大切です。厚生労働省は、食肉は中心部までしっかり加熱すること、ユッケなどの生食用食肉には厳格な規格基準が定められていることを示しています。安全性については厚生労働省の食中毒に関するページで最新情報をご確認ください。

まとめ|牛肉の部位一覧は「位置」で覚えれば怖くない

🥩 この記事の結論

牛肉の部位は農水省の9部位+取引規格の13部位が骨組み。「背中・肩・お腹・お尻&脚」の4ブロックで位置から覚えれば迷いません。

✅ 要点チェック

  • 基本:公式表示は9部位、取引規格は13部位
  • 高級どころ:背中のリブロース・サーロイン・ヒレ
  • コスパ:肩とモモは価格と栄養のバランス良し
  • カロリー:ヒレ177kcal/バラ381kcal(100g)
  • 焼き方:脂多めは中火じっくり、赤身は強火短時間

まずは次の買い物で、いつものラベルを「これは背中の脂の多い部位だな」と意識して見るところから始めてみてください。部位がわかると、肉選びは驚くほど面白くなります。

※価格や販売状況、栄養成分の最新情報は各公式サイト・公的機関のページでご確認ください。

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この記事を書いた人

『お肉の教科書』編集部。牛肉・豚肉・鶏肉の部位やホルモンの種類、焼肉をおいしく食べるコツ、お肉の選び方を、公的機関の情報や一次情報をもとにわかりやすく解説しています。

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