「ブリスケって焼肉店のメニューで見かけるけど、いったい牛のどこの部位なの?」——そんな疑問を持ったことはありませんか。カルビでもロースでもない、ちょっと聞き慣れない名前だけれど、肉好きの間ではじわじわと人気が高まっている部位です。
結論から言うと、ブリスケは牛の前足の内側、胸のあたりにある「肩バラ(前バラ)」の一部です。赤身と脂がおよそ半々で、コラーゲンをたっぷり含み、噛むほどに旨味がにじむのが最大の魅力。ただし、1本まるごとが焼肉向きというわけではなく、柔らかく焼いて食べられるのは全体の3割ほどという、ちょっとクセのある部位でもあります。
この記事では、ブリスケが牛のどこにある部位なのか、味・食感・カロリーの数値、三角バラやカルビとの違い、そして焼肉・煮込み・BBQでの調理のコツまで、焼肉好きの目線でまるごと解説します。読み終えるころには、スーパーや精肉店で「前バラ」「肩バラ」のラベルを見つけたときに、迷わず手が伸びるようになっているはずです。
・ブリスケが牛のどこの部位で、なぜ呼び名が地域で違うのか
・カロリー・タンパク質・脂質など栄養を100gあたりの数値で把握
・三角バラ・カルビとの違いと、焼肉/煮込み/BBQでの使い分け
・スーパーでブリスケを見分けて選ぶコツと、やりがちな失敗の避け方
ブリスケはどこの部位?肩バラの内側にある胸の肉

まずは一番の疑問、「ブリスケは牛のどこの部位なのか」からはっきりさせましょう。答えは、牛の前足の内側、胸にあたる部分。大きなくくりでは「かたばら(肩バラ)」に含まれる小分割部位で、ろっ骨の外側、前足の付け根まわりの肉です。同じ胸まわりの部位でも、三角バラのすぐ下側に位置しているのがブリスケだと覚えておくと分かりやすいですよ。
| 部位の位置 | 前足の内側・胸部(肩バラの一部、三角バラの下側) |
| 大分類 | かたばら(肩バラ/前バラ) |
| 赤身と脂のバランス | おおよそ半々。コラーゲンが多い |
| 食感・味の特徴 | 繊維質でコク深い。噛むほど旨味 |
| おすすめ調理法 | 焼肉(厚切り)・煮込み・BBQのブリスケット |
前足の内側・三角バラの下という位置を図解でイメージ
ブリスケの位置は、牛の体の「前・下・内側」の3つのキーワードで押さえられます。前足の付け根から胸にかけて、ろっ骨を覆うように付いている肉で、いわば牛の胸筋にあたる部分です。体重を支えたり歩いたりするたびによく動く場所なので、筋繊維がしっかり発達し、コラーゲン(結合組織)が豊富になります。これが「噛むほど旨味が出る」コク深さの正体です。
同じ肩バラの中でも、上側でサシがきれいに入るのが「三角バラ(特上カルビとして使われる高級部位)」、その下の赤身寄りのゾーンがブリスケ、というイメージで整理すると混乱しません。スーパーでは薄切りやブロックで並ぶことが多く、断面を見ると赤身の層と脂の層がくっきり分かれているのが目印になります。牛肉全体の部位マップを頭に入れておくと、こうした位置関係がぐっと分かりやすくなります。
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前バラ・肩バラ・ブリスケットは全部同じ?呼び名の地域差
ブリスケがややこしいのは、地域によって呼び名がコロコロ変わるところです。結論を言えば、関西では「ブリスケ」「前バラ」、関東では「肩バラ」、そしてアメリカでは「ブリスケット(brisket)」——これらはすべて同じ胸まわりの部位を指しています。名前が違うだけで、別の部位というわけではないんですね。
そもそも「ブリスケ」という呼び名は、アメリカの「ブリスケット」が由来。海外ではBBQの定番肉として絶大な人気を誇り、燻製にした「スモークブリスケット」はテキサスバーベキューの主役です。日本の精肉店で「前バラ」「肩バラ」と書かれていたら、それはブリスケと同じものだと考えて問題ありません。ラベルの表記が違っても中身は同じ、と知っておくと買い物で迷わなくなりますよ。
かたばら全体の中でのブリスケの立ち位置
「かたばら(肩バラ)」は、牛の前脚まわりの胸肉をまとめた大きなくくりです。業務用の食肉の分類では、かたばらは「ろっ骨の外側、前足の付け根にある胸肉」と定義され、いわゆる三枚肉(ともばら)よりも脂肪が少なめで筋肉質、モモよりは濃厚な風味という中間的なポジションにあります。
このかたばらをさらに細かく分けたとき、サシの美しい部分が三角バラ、赤身と脂のバランス型がブリスケ、といった具合に用途で切り分けられていきます。つまりブリスケは「肩バラという大きな部位の中の一区画」。だからお店によっては「肩バラ」とだけ表記されていたり、逆に「ブリスケ」として希少部位アピールされていたりと、扱いに幅があるのです。この構造を知っておくと、メニューやラベルの言葉に振り回されずに済みます。
赤身と脂が半々?ブリスケの味と食感の正体
ブリスケの魅力を語るうえで外せないのが、赤身と脂がおよそ半々というバランスの良さです。サシがびっしり入った霜降りとも、脂の少ない赤身とも違う、「両方のいいとこ取り」の味わい。ここではその味と食感を、構造の面から掘り下げていきます。
赤身と脂がおよそ半々で、コラーゲンが豊富。噛むほどに旨味がにじむコク深い肉質で、脂は歯ごたえがありながらしつこさが少ないのが持ち味です。
噛むほど旨味、コラーゲンが生むコクの理由
ブリスケが「噛むほど美味しい」と言われるのは、コラーゲンをたっぷり含んでいるからです。よく動く胸の筋肉には結合組織(コラーゲン)が多く、この繊維が噛みごたえと旨味の余韻を生みます。ヒレのように口の中でほどける柔らかさとは方向性が違い、しっかり噛みしめて味わうタイプの肉、と考えると期待とのズレがありません。
この旨味は、加熱によってさらに引き出されます。コラーゲンは長時間の加熱でゼラチン質に変化し、とろけるような口当たりに変わる性質があるため、後述する煮込みとの相性が抜群。逆に焼肉でサッと食べるなら、繊維に対して直角に切る「筋を断つカット」にすると、噛み切りやすさが段違いになります。同じ肉でも切り方ひとつで食感が変わるのがブリスケの面白さです。
しつこくない脂の秘密
「バラ」と聞くと脂っこいイメージを持つ方も多いのですが、ブリスケの脂は意外とあっさりしています。他の部位の脂に比べて少し歯ごたえがあり、口に残るしつこさが少ないのが特徴。そのため脂が半分近くを占めていても、思ったより重たく感じにくく、胃もたれしにくいと評されることが多い部位です。
これは脂の質と付き方によるもの。ブリスケの脂は赤身と層状に分かれているため、霜降りのように脂が肉全体へ溶け込むのではなく、赤身の旨味と脂のコクを交互に感じられます。焼くと脂の層がほどよく落ちて香ばしさが立ち、後味は思いのほか軽やか。「赤身は物足りないけど、霜降りは重い」という人にちょうどハマる中間ポジションの肉なんです。
焼肉に使えるのは全体の3割という現実
ここは正直にお伝えしておきたいポイントです。ブリスケは1本まるごとが焼肉向きなわけではなく、柔らかく焼いて美味しく食べられる部分は全体の3割ほどと言われています。残りの部分は繊維がより強く、そのまま焼くと硬さが気になりやすいため、煮込みやミンチなど別の調理に回されることが多いのです。
だからこそ焼肉店で「ブリスケ」として出てくる肉は、その柔らかい一部を厳選したもの。希少部位として扱われるのには、こうした歩留まりの事情があります。家庭で塊で買った場合は、部位の中でも柔らかい中心付近を焼肉に、繊維が強い端の部分を煮込みに——と使い分けるのが、無駄なく美味しく食べきるコツです。1本で二度おいしい、と考えるとお得感がありますね。
ブリスケのカロリーと栄養を数値で見る

味の話の次は、気になるカロリーと栄養です。ブリスケは肩バラ(かたばら)の一部ですが、日本食品標準成分表には「ブリスケ」単独の項目がないため、ここでは同じバラ系である「ばら(脂身つき)」の公式数値を目安として見ていきます。和牛か輸入かで数字が大きく変わるので、その違いも押さえておきましょう。
| 100gあたり | 和牛ばら(脂身つき・生) | 輸入牛ばら(脂身つき・生) |
|---|---|---|
| エネルギー | 472kcal | 338kcal |
| たんぱく質 | 11.0g | 14.4g |
| 脂質 | 50.0g | 32.9g |
| 鉄 | 1.4mg | 1.5mg |
| 亜鉛 | 3.0mg | 3.0mg |
※お肉の教科書調べ(文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成)。ブリスケは肩バラの一部で単独収載がないため、ばら(脂身つき)の値を目安として掲載。
和牛と輸入で倍近く違うカロリー
まず驚くのがカロリーの差です。和牛ばら(脂身つき)は100gあたり472kcalなのに対し、輸入牛ばらは338kcal。同じ「ばら」でも130kcal以上の開きがあります。理由はシンプルで、和牛は脂肪交雑(サシ)が多く、脂質が100gあたり50.0gと半分を占めるほど。輸入牛は32.9gと脂が控えめなぶん、カロリーも抑えめになるわけです。
ブリスケはバラ系の中では赤身寄りの部位なので、実際にはこの数字よりやや低めになると考えられますが、「脂が多い個体・部位ほど高カロリー」という関係は共通です。家焼肉で総量を食べたいなら輸入の赤身寄り、少量を濃厚に味わいたいなら和牛、と目的で選ぶと満足度が上がります。数値で比べると、脂の量がそのままカロリーに直結しているのがよく分かりますね。
タンパク質・鉄・亜鉛はどれくらい摂れる
栄養面で見ると、輸入牛ばらは100gあたりたんぱく質14.4gと、脂の多い和牛(11.0g)より多め。脂質が少ない部位ほど、相対的にタンパク質の比率が上がるためです。筋肉づくりや食事の満足感を重視するなら、赤身の比率が高いブリスケの中心部分は悪くない選択肢になります。
ミネラルでは、鉄が1.4〜1.5mg、亜鉛が3.0mgと、牛肉らしくしっかり含まれています。鉄は赤血球の材料、亜鉛は体の維持に関わる栄養素で、いずれも赤身肉から効率よくとれるのが牛肉の強み。ただし脂質も相応にあるので、栄養だけを狙って大量に食べるより、適量を美味しく楽しむのがブリスケとの上手な付き合い方です。正確な最新値は文部科学省の食品成分データベースで確認できます。
ダイエット中に食べるときの一工夫
「脂が多い部位はダイエットの敵」と思われがちですが、食べ方を工夫すればブリスケも味方になります。ポイントは3つ。①赤身寄りの部分を選ぶ、②網焼きやグリルで余分な脂を落とす、③食べる量を100〜150gの目安に収める。この3点を守るだけで、同じ肉でも体感の重さがかなり変わります。
特に「焼いて脂を落とす」は効果的で、フライパンより網焼きのほうが脂が下に落ちてカロリーオフにつながります。付け合わせにレタスやサンチュなどの葉物を添えれば、脂の重さが和らぎ、満足感もアップ。赤身と脂のメリハリを楽しみつつ、量と焼き方でコントロールする——これがブリスケを罪悪感少なく味わうコツです。サーロインなど高脂質部位のカロリー事情と比べてみるのも参考になります。
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三角バラ・カルビとどう違う?似た部位と比較
ブリスケは「肩バラの一部」であるがゆえに、三角バラやカルビと混同されがちです。ここでは似た部位との違いを整理して、メニューやラベルを見たときに正しく判断できるようにしておきましょう。名前は近くても、サシの入り方や使われ方はけっこう違います。
| 比較項目 | ブリスケ | 三角バラ | カルビ(ともばら) |
|---|---|---|---|
| 位置 | 肩バラ下側・胸 | 肩バラ上側 | お腹まわり |
| サシの入り方 | 赤身と脂が半々 | きれいな霜降り | 脂多め・層状 |
| 味わい | 噛むほど旨味・コク | 濃厚な甘み | ジューシーで甘い |
| 主な使い方 | 焼肉・煮込み・BBQ | 特上カルビ | 焼肉のカルビ |
三角バラとの違いはサシの入り方
三角バラとブリスケは、どちらも同じ肩バラから取れる「ご近所さん」ですが、性格はかなり違います。三角バラは肩バラの上側にある、きれいな霜降りが入る部分で、いわゆる「特上カルビ」として提供される高級ゾーン。対してブリスケはその下側で、赤身と脂が半々のバランス型です。
見分け方は断面を見るのが一番。三角バラは細かいサシが全体に散っていて、焼くと脂の甘みがふわっと広がります。ブリスケは赤身の層と脂の層がくっきり分かれ、噛むほどに旨味が出るしっかり系。値段も三角バラのほうが上位に位置することが多いので、「濃厚な甘みの霜降りが三角バラ、赤身の旨味を噛みしめるのがブリスケ」と覚えておくと、メニュー選びで失敗しません。
一般的なカルビ(ともばら)との違い
焼肉でおなじみの「カルビ」は、多くの場合お腹まわりの「ともばら(三枚肉)」を指します。ブリスケは前脚寄りの胸の肉なので、そもそも取れる場所が違います。ともばらは脂が層状にしっかり入ってジューシー、ブリスケは赤身の存在感が強くコク深い——同じ「バラ」でも味の方向性が対照的なんです。
「カルビ」という言葉は店によって使う部位が幅広く、ブリスケがカルビの一種として出されることもあります。だからこそ、部位名だけでなく断面や説明を見て判断するのが確実。脂のジューシーさを求めるならともばら系、赤身の旨味と噛みごたえを楽しみたいならブリスケ、という選び分けが分かりやすいでしょう。カルビと他部位の違いを整理しておくと、注文の精度がぐっと上がります。
焼肉店のメニューで必ず隣り合っている「カルビ」と「ハラミ」。どちらも赤身がかった見た目で、正直「味は違うけど、何がどう違うの?」と聞かれると答えに詰まる人が多い…
コウネ(コーネ)という隣の希少部位
ブリスケの話をすると必ず出てくるのが、隣接する「コウネ(コーネ)」という部位です。これは牛の胸から前脚にかけての脂身が多い部分で、広島県ではB級グルメとして親しまれている地方色の強い希少部位。真っ白に見えるほど脂が多く、コリコリした独特の食感が特徴です。
ブリスケとコウネは場所が近いため混同されることもありますが、ブリスケが赤身と脂の半々なのに対し、コウネは脂の食感を楽しむ部位、というのが大きな違い。もし精肉店やメニューで「コウネ」を見かけたら、ブリスケとはまた別の食べ物として味わってみると面白いですよ。こうした周辺部位まで知っておくと、胸まわりの肉の世界がぐっと立体的に見えてきます。
ブリスケの焼き方|厚めカット×ミディアムが正解
ブリスケのポテンシャルを引き出すには、焼き方が肝心です。赤身と脂が半々でコラーゲンが多いこの部位は、焼きすぎると硬く、生焼けだと繊維が噛み切れないという、少しコツのいる肉。ここでは焼肉での基本手順と、失敗しないためのポイントを具体的に見ていきます。
焼肉での焼き方・厚み・火加減
ブリスケを焼肉で美味しく食べる正解は、「厚めにカットしてミディアムで焼く」です。薄く切りすぎると繊維の食感ばかりが目立ち、脂の旨味を感じる前に火が入りすぎてしまいます。厚み1cm前後を目安にすると、赤身のジューシーさと脂のコクを両方味わえます。
火加減は中火〜強火で、片面30〜40秒ずつが目安。脂の層がパチッとはじけて透明な肉汁が上がってきたら返しどきです。中心がほんのりピンク色に残るミディアムで止めると、コラーゲンの繊維がほどよくほぐれつつ、噛みしめる旨味も残ります。焼き上げたら網の端で20〜30秒休ませると、肉汁が全体に落ち着いてジューシーに。この「休ませ」のひと手間で仕上がりが変わります。
下処理と筋・脂の扱い
ブリスケは繊維がしっかりしているぶん、下処理で食べやすさが大きく変わります。ブロックで買った場合は、まず表面の硬い筋(スジ)と余分な厚い脂を包丁でそぎ落とすのが基本。この一手間で口当たりが格段に良くなります。赤身と脂の境目にある筋膜も、気になるようなら軽く取り除くと噛み切りやすくなります。
味付けは、ブリスケ本来のコクを活かすなら塩だれやワサビ醤油がおすすめ。濃厚な赤身の旨味に、さっぱりした薬味がよく合います。甘辛いタレに漬け込むのも定番で、繊維の間にタレが染み込んで柔らかく感じられる効果もあります。下処理と味付けをセットで考えると、家庭でも焼肉店に近い満足感が出せますよ。
やりがちな失敗①:薄切りを強火で一気に焦がす
ブリスケでいちばん多い失敗が、薄切りにしたものを強火で一気に焼いて硬くしてしまうケースです。原因は、繊維の強いブリスケを薄く切ると水分が抜けやすく、そこに強い火を長く当てることで一気に締まって「ゴムのような食感」になってしまうこと。せっかくの噛むほど旨味が、ただの硬さに変わってしまいます。
対策はシンプルで、①薄切りにしすぎない(厚み1cm前後を確保)、②強火なら短時間で、片面30〜40秒を守る、③焼けたらすぐ引き上げて余熱を活用する、の3点。特に「焼きすぎない勇気」が重要です。中心がほんのりピンクの状態で引き上げ、余熱で仕上げる意識を持つだけで、同じ肉が別物のように柔らかくなります。焦がして硬くする前に、火から下ろしましょう。
煮込み・BBQで化ける?ブリスケの調理バリエ
ブリスケは焼肉だけの部位ではありません。むしろコラーゲンの多さを考えると、じっくり火を入れる調理でこそ真価を発揮します。焼肉に向く柔らかい部分は3割ほど、と前述しましたが、残りの繊維が強い部分は煮込みやBBQで驚くほど美味しく化けるのです。
煮込みでコラーゲンをとろとろに
ブリスケの繊維が強い部分は、長時間の煮込みでこそ本領を発揮します。コラーゲンは加熱を続けるとゼラチン質に変わり、あの「箸でほぐれるとろとろ食感」を生み出します。ビーフシチューやポトフ、和風の煮込みなど、時間をかける料理にブリスケは打ってつけの素材なのです。
コツは、最初に表面をしっかり焼き付けて旨味を閉じ込めてから、弱火でコトコト煮ること。目安として、3〜4cm角のブロックなら弱火で1.5〜2時間ほど。途中で足りなければさらに煮込むと、繊維がほどけてスプーンで切れる柔らかさになります。煮汁にはコラーゲン由来の旨味とコクがたっぷり溶け出すので、赤身のコク深いブリスケならではの濃厚なスープが楽しめます。焼いて硬い部分こそ、煮込みで主役になれる肉なんです。
BBQのブリスケット(低温長時間)
ブリスケの本場アメリカでの花形が、BBQの「スモークブリスケット」です。塊肉に塩・こしょうやスパイスをすり込み、低温でじっくり数時間かけて燻し焼きにする調理法。時間はかかりますが、コラーゲンがゼラチン化し、外は香ばしく中はしっとりという、この部位ならではの仕上がりになります。
家庭でも、オーブンやダッチオーブンを使えば近い味に挑戦できます。ポイントは低めの温度でじっくり火を入れること。ただし塊肉は中心まで火が入りにくいので、中心部までしっかり加熱するのが安全面でも大切です。厚みのある肉を中途半端な加熱で仕上げると食中毒のリスクがあるため、中心温度を意識し、心配なら調理用温度計で確認しましょう。時間をかけるほど報われる、休日向きの一皿です。
厚みのある塊肉は中心まで火が入りにくく、加熱不足は食中毒の原因になり得ます。厚生労働省は、食肉は中心部までしっかり加熱すること(目安として中心部が75℃で1分間以上など)を推奨しています。低温調理やBBQでも中心温度を意識し、心配なときは調理用温度計で確認してください。
やりがちな失敗②:煮込み時間が短くて硬いまま
煮込みでの代表的な失敗が、「時間が足りずに硬いまま食べてしまう」パターンです。原因は、コラーゲンがゼラチンに変わるには一定の加熱時間が必要なのに、途中で火を止めてしまうこと。ブリスケの繊維が強い部分は、中途半端な加熱だと逆に硬く締まってしまい、「煮込んだのにパサパサ・ゴワゴワ」という残念な結果になります。
対策は、①煮込み時間をたっぷり確保する(弱火で1.5〜2時間以上が目安)、②沸騰させ続けず弱火でコトコト保つ、③「まだ硬いな」と思ったら追加で煮込む、の3点。強火でグラグラ煮ると肉が締まって逆効果なので、あくまで弱火でじっくりが鉄則です。時間はかかりますが、その分だけとろとろになって返ってくるのがブリスケ。焦らず煮込むことが、失敗しない最大のコツです。
スーパーでブリスケを選ぶコツと買い方
最後は、実際にお店でブリスケを手に入れるための実践編です。スーパーでは「ブリスケ」という名前で並ぶことは少なく、「前バラ」「肩バラ」の表記を探すのがポイント。ここでは見分け方と、シーン別の選び方をまとめます。
ラベル表記の見分け方(前バラ・肩バラ)
スーパーでブリスケを探すときの合言葉は「前バラ」「肩バラ」です。ブリスケという商品名で棚に並ぶことは多くないため、この2つの表記を頼りに探すのが近道。どちらも同じ胸まわりの部位を指すので、見つけたら中身はブリスケと考えて大丈夫です。精肉コーナーで見当たらなければ、対面の精肉店で「肩バラのブリスケのあたりを」とお願いすると出してもらえることもあります。
用途に合わせて形状も選びましょう。焼肉なら厚めのスライスやサイコロ状、煮込みやBBQならブロック(塊)で買うのがおすすめ。同じ部位でもカットの形で使い勝手が変わります。ラベルの部位名と形状の両方をチェックすれば、目的に合ったブリスケを無駄なく選べます。名前に振り回されず、「前バラ・肩バラ=ブリスケ」と覚えておきましょう。
良いブリスケの断面の見分け方
美味しいブリスケを選ぶ最大のヒントは、断面にあります。チェックしたいのは、①赤身と脂の層がくっきり分かれてバランスが半々に近いか、②赤身の色が鮮やかな赤〜やや暗めの赤で、ドリップ(赤い汁)が出すぎていないか、③脂が黄ばんでおらず、白〜クリーム色をしているか、の3点です。
赤身の色は鮮度の目安になり、切りたては明るい赤、時間が経つと暗く変色していきます。ドリップが多いパックは水分と旨味が抜けている可能性があるので、できれば避けたいところ。脂の色は白〜クリーム色が新鮮なサインで、黄色みが強いものは脂が酸化していることがあります。この3つを見るだけで、同じ「前バラ」でも当たりを引く確率がぐっと上がりますよ。
シーン別の使い分け(焼肉/煮込み/BBQ)
ブリスケは「どう食べたいか」で選び方が変わる、シーンによって顔を変える部位です。手早く焼肉で楽しみたい平日夜なら、柔らかい部分の厚めスライスを選び、塩だれでサッと。休日にじっくり料理を楽しむなら、繊維の強い部分も含めたブロックを買って、煮込みやBBQで長時間かけて仕上げるのが正解です。
家族構成でも選び分けができます。少人数でちょっと贅沢になら焼肉用の厚切りを少量、大人数のパーティーやアウトドアなら塊肉をBBQでドーンと。ブリスケは1本の中に「焼く部分」と「煮込む部分」が同居しているので、まとめ買いして使い分けるのが最もコスパの良い楽しみ方です。目的から逆算して形状と量を選べば、失敗のない買い物ができます。
まとめ:ブリスケは知る人ぞ知る肩バラの部位
ブリスケは、スーパーでは「前バラ」「肩バラ」と表記される、牛の胸まわりの肩バラの一部です。赤身と脂がおよそ半々でコラーゲンが豊富、噛むほどに旨味がにじむコク深い肉質が魅力で、焼肉に向く柔らかい部分は全体の3割ほど。残りの繊維が強い部分は、煮込みやBBQでとろとろに化けます。まずは次の買い物で「前バラ」「肩バラ」のラベルを探し、断面の赤身と脂のバランスをチェックすることから始めてみてください。焼肉なら厚切りミディアム、時間があれば煮込みへ——1本で二度おいしい部位の実力を、ぜひ味わってみてくださいね。
※栄養成分は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づく目安です。数値や販売状況は変わることがあるため、最新情報は各公式サイト等でご確認ください。

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