ハツとは牛・豚・鶏の心臓のこと|1頭2kgの希少部位を128kcalの栄養で解説

ハツとは牛・豚・鶏の心臓のこと|1頭2kgの希少部位を128kcalの栄養で解説のアイキャッチ画像

焼肉店のメニューやスーパーの精肉コーナーで見かける「ハツ」。なんとなく注文したり買ったりしているけれど、そもそもハツとはどこの部位なのか、はっきり答えられる人は意外と少ないものです。「ホルモンの一種らしい」「コリコリしている」くらいの理解で止まっていませんか。

結論から言うと、ハツとは牛・豚・鶏の「心臓」のことです。名前は英語で心臓を指す「heart(ハート)」がなまったもの。脂が少なくてクセが弱く、ホルモンが苦手な人でも食べやすい、実は入門にぴったりの部位なんです。栄養面でもビタミンB12や鉄が豊富で、知れば知るほど注文したくなる存在です。

この記事では、ハツの正体と名前の由来から、コリコリ食感の理由、牛・豚・鶏の栄養の違い、生食の安全性、家での下処理と焼き方、スーパーでの選び方まで、焼肉好きの視点でまるごと解説します。読み終わるころには、次の焼肉でハツを頼むのが楽しみになっているはずです。

📌 この記事でわかること

・ハツとは牛・豚・鶏の心臓を指す部位で、名前の由来は「heart」
・牛ハツは100gあたり128kcal・たんぱく質16.5gの高たんぱく低脂質
・牛・豚・鶏でカロリーも食感も大きく違う
・生食のリスクと、家庭での下処理・焼き方・選び方のコツ

目次

ハツとは牛・豚・鶏の「心臓」を指す焼肉の定番ホルモン

ハツとは牛・豚・鶏の「心臓」を指す焼肉の定番ホルモンの解説画像

まずは基本から。ハツとは、牛・豚・鶏の心臓を食用にしたもので、焼肉店やもつ焼き店の定番メニューです。赤身の肉とも、脂の多いホルモン(腸などの内臓)とも違う独特のポジションにあり、コリッとした歯ごたえと淡白な味わいで根強い人気があります。ここではハツという名前の由来、ホルモンの中での位置づけ、希少部位といわれる理由を整理していきます。

ハツの語源は英語の「heart」|地方では「ヤサキ」とも呼ばれる

ハツとは心臓のこと。その名前は、英語で心臓を意味する「heart(ハート)」の複数形「hearts」がなまってできた言葉だといわれています。焼肉やもつ料理の世界では、内臓の呼び名に英語由来のものが少なくなく、ハツもその一つです。地域や店によっては「ココロ」「ハート」「ヘルツ」、あるいは形が槍の先に似ていることから「ヤサキ」「やり先」と呼ばれることもあります。メニューに聞き慣れない名前が並んでいても、これらはすべて心臓のこと。名前の由来を知っておくと、初めての店でも迷わず注文でき、店員さんとの会話も弾みます。豆知識として覚えておくと、焼肉仲間に「これ心臓だよ」と教えてあげられます。

ホルモンの中でハツはどんな立ち位置?内臓だけど食べやすい

ハツはいわゆる「ホルモン(内臓肉)」の一種ですが、腸や胃といったモツとはかなり性格が違います。理由は部位の性質にあります。腸や胃は消化器官なので独特の匂いや脂を持ちますが、心臓は血液を送り出すポンプの筋肉。構造が筋肉に近く、余分な脂やクセが少ないのです。そのため、コリコリした食感はありつつも、味わいは赤身寄りでクセが弱め。ホルモンが苦手な人が「これなら食べられる」と最初に好きになる部位としてよく挙がります。頬肉のツラミなど、クセの少ない部位から入るとホルモンの世界が広がります。

あわせて読みたい
ツラミとは?牛1頭に約1kgの希少な頬肉|味・カロリー・焼き方を焼肉好きが解説 焼肉店のメニューで「ツラミ」という名前を見かけて、「これって一体どこの部位?」と首をかしげたことはありませんか。カルビやロースならイメージできても、ツラミと...

牛ハツは1頭からわずか約2kg|希少部位といわれる理由

ハツが「希少部位」と紹介されるのは、1頭から取れる量が少ないからです。牛の心臓は1つで平均約2kg程度。牛1頭から取れる肉が数百kg単位であることを考えると、ハツはそのごく一部にすぎません。豚の心臓はさらに小さく約200〜300g、鶏に至っては1羽から1つ、数gしか取れません。心臓は1頭・1羽に1つしかない臓器なので、供給量が構造的に限られるわけです。焼肉店でハツが品切れになりやすいのも、この希少性が背景にあります。見かけたら早めに頼んでおくのが、ハツ好きの立ち回り方です。

🥩 部位スペックカード(牛ハツ)
部位の位置心臓(血液を送り出す筋肉)
カロリー(100gあたり)128kcal
タンパク質・脂質たんぱく質16.5g/脂質7.6g
食感・味の特徴コリコリ・サクッとした歯ごたえ、淡白でクセが少ない
1頭からの取れる量目安約2kg(心臓1つ)
おすすめ調理法強火でさっと焼く/中心までしっかり加熱
たんぱく質の比較チャート(鶏ハツ 14g・豚ハツ 16g・牛ハツ 16g)
たんぱく質の比較(お肉の教科書調べ・各公式サイトより、2026年7月時点)

数値の出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」牛心臓 生(食品番号11091)

ハツがコリコリするのはなぜ?心臓の筋肉に隠れた食感のヒミツ

ハツを食べたときの、あのコリッ・サクッとした独特の歯ごたえ。この食感には、心臓という臓器の役割がしっかり関係しています。ここでは、なぜハツがコリコリするのか、なぜクセが少ないのか、そして同じ心臓でも部位で食感が変わることを、構造の視点から掘り下げていきます。

24時間休まず動く筋肉だから、身が締まってコリコリになる

ハツがコリコリなのは、心臓が生きている間ずっと動き続けている筋肉だからです。心臓は血液を全身に送り出すポンプで、1日に約10万回も拍動するといわれます。休むことなく収縮を繰り返すため、筋繊維が細かく密に詰まり、身が引き締まっています。この密度の高い筋肉組織が、噛んだときのコリコリ・サクッとした歯切れのよさを生むわけです。ステーキになる背中やお尻の筋肉が「やわらかさ」を売りにするのとは対照的で、ハツは「歯ごたえ」でおいしさを味わう部位。焼きすぎると締まりすぎて硬くなるので、火の通しすぎには注意が必要です。

実はクセが少なく淡白|ホルモン初心者にこそおすすめしたい理由

意外と知られていませんが、ハツはホルモンの中でもかなりクセが少なく食べやすい部位です。「内臓=匂いが強い」というイメージから敬遠する人もいますが、それは腸や胃など消化器官の話。心臓は消化に関わらない筋肉の塊なので、独特の臭みが出にくいのです。淡白であっさりした味わいは、レバーの濃厚さが苦手な人にもすっと入ります。「ホルモンは無理」と思っている人こそ、最初の一皿にハツを選んでみてほしい部位。塩やレモンでシンプルに食べると、素材の軽やかな旨味がよくわかります。ここが、ハツを入門編としておすすめできる最大の理由です。

同じ心臓でも部位で食感が変わる|ハツと「ハツモト」の違い

ひとくちにハツといっても、心臓は部位によって食感が変わります。一般に「ハツ」として出るのは心臓の筋肉本体で、コリコリした歯ごたえが持ち味。一方、心臓から伸びる太い血管(大動脈)の付け根部分は「ハツモト(コリコリ)」などと呼ばれ、こちらはさらに硬く、コリコリを通り越して独特の弾力があります。同じ一つの臓器でも、筋肉か血管かで食感がはっきり分かれるわけです。焼肉店で「ハツモト」を見かけたら、通常のハツとの食感の差を食べ比べてみるのも一興。部位の構造を知っていると、メニューの読み方が一段深くなります。

📌 ここまでのポイント

ハツのコリコリ食感は「休まず動く筋肉」ゆえの身の締まり。消化器官ではないので臭みが少なく、ホルモン入門にぴったりです。焼きすぎると硬くなるので火加減がカギ。

数字でわかるハツの栄養|128kcalで高たんぱく・低脂質のヘルシー食材

数字でわかるハツの栄養|128kcalで高たんぱく・低脂質のヘルシー食材の解説画像

ハツは味や食感だけでなく、栄養面でも見どころの多い部位です。高たんぱくで比較的低脂質、しかもビタミンB12や鉄などのミネラルが豊富。ここでは牛ハツを中心に、文部科学省の食品成分データをもとに具体的な数値で栄養を見ていきます。数字で知ると、ハツの実力が実感できます。

牛ハツは100gあたり128kcal・たんぱく質16.5g|脂質は控えめ

牛ハツのカロリーは、可食部100gあたり128kcalです。たんぱく質は16.5g、脂質は7.6gで、赤身寄りのバランスといえます。同じ焼肉でも、脂の多いカルビが100gあたり500kcalを超えることを考えると、ハツはかなり軽めです。理由は、心臓が脂肪をため込む部位ではなく、動き続ける筋肉だから。サシ(脂肪交雑)が入りにくく、その分たんぱく質の比率が高くなります。焼肉でしっかり食べたいけれどカロリーは抑えたい、という人にとって、ハツは心強い選択肢です。ただしタレやビールが進むと総カロリーは上がるので、そこは別問題として意識しておきましょう。

ビタミンB12が100gで12μg|エネルギー代謝を助ける栄養の宝庫

牛ハツで特に注目したいのがビタミンB12で、100gあたり12.0μgと豊富に含まれます。ビタミンB12は赤血球の生成や神経の働きに関わる栄養素で、植物性食品にはほとんど含まれないため、動物性食品から取ることが基本です。ハツのような内臓系の部位は、このB12を効率よく補える食材として知られています。あわせてビタミンB2も100gあたり0.90mg含まれ、脂質やたんぱく質の代謝を助けます。「ハツは栄養価が高い」といわれる背景には、こうしたビタミン類の充実があります。もちろん、いち食材で栄養が完結するわけではないので、野菜や主食とバランスよく組み合わせるのが基本です。

鉄・亜鉛も含む|数値で見る「赤身系ホルモン」の実力

ハツはミネラルも見逃せません。牛ハツには鉄が100gあたり3.3mg、亜鉛が2.1mg含まれます。鉄は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料、亜鉛は体内の多くの酵素に関わるミネラルで、どちらも不足しがちな栄養素です。心臓は大量の血液に触れる臓器なので、鉄を含みやすいのも納得できます。レバーほど濃厚ではないけれど、鉄や亜鉛をほどよく補えるのがハツの持ち味。ただし、栄養は「食べれば食べるほど良い」ものではありません。特定の栄養が気になる場合は、食事全体の中で無理なく取り入れるのが賢い付き合い方です。数値はあくまで目安として活用しましょう。

ダイエット中の食べ方の注意|コレステロールは110mg

低脂質でヘルシーなイメージのハツですが、内臓系らしくコレステロールは100gあたり110mgとやや高めです。健康な人が普通に食べる量であれば過度に心配する必要はありませんが、コレステロール値を医師から指摘されている人は、量や頻度に気を配ると安心です。ダイエット目的でハツを選ぶなら、タレの糖質やアルコールのほうが総カロリーに効いてくることが多いので、そちらとのバランスを見るのが現実的。塩やレモンでさっぱり食べれば、ハツの低脂質という長所を素直に活かせます。栄養は数字を知ったうえで、自分の体調に合わせて選ぶのがいちばんです。

Q. ハツはダイエット中に食べても大丈夫?
A. 牛ハツは100gあたり128kcal・脂質7.6gと焼肉の中では低脂質で、高たんぱくなのでダイエット中の選択肢になります。ただしコレステロールは110mgとやや高め。タレやアルコールの取りすぎに注意し、塩やレモンであっさり食べるのがおすすめです。

牛・豚・鶏でこんなに違う|3種のハツを栄養で徹底比較

ハツと一口にいっても、牛・豚・鶏で味も食感もカロリーも大きく違います。せっかくなので、3種類のハツを栄養数値で並べて比べてみましょう。数字で見ると、それぞれの個性がくっきり浮かび上がります。用途や好みに合わせて選ぶ参考にしてください。

牛・豚・鶏ハツのカロリー・栄養比較表(お肉の教科書調べ)

まずは3種のハツを一覧で比べてみます。同じ「心臓」でも、鶏ハツは脂質が多く高カロリー、牛と豚はよく似た低脂質バランスだとわかります。以下は文部科学省の食品成分データをもとに、お肉の教科書がまとめた比較表です。数値は可食部100gあたりです。

比較項目 牛ハツ 豚ハツ 鶏ハツ
エネルギー 128kcal 118kcal 186kcal
たんぱく質 16.5g 16.2g 14.5g
脂質 7.6g 7.0g 15.5g
3.3mg 3.5mg 5.1mg
ビタミンB12 12.0μg 2.5μg 1.7μg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」牛心臓 生(11091)・ぶた心臓 生(11165)・にわとり心臓 生(11231)

鶏ハツは脂が多くジューシー|焼き鳥で人気の理由

3種の中でいちばん個性的なのが鶏ハツです。100gあたり186kcal、脂質15.5gと、牛や豚の倍近い脂質を持ちます。理由は、鶏の心臓が小さく、まわりの脂や血管ごと調理されることが多いから。この脂こそが、焼き鳥のハツのプリッとしたジューシーさの正体です。鉄も5.1mgと3種で最も多く、小さいながら栄養は濃密。焼き鳥屋で「ハツ」を頼むとタレとの相性がよく、脂の甘みが引き立ちます。牛ハツの淡白さとはまったく別のおいしさなので、食べ比べると心臓という部位の幅広さがよくわかります。焼くときは中心まで火を通すのが基本です。

豚ハツは牛と鶏の中間|やわらかく食べやすいバランス型

豚ハツは、牛ハツに近い低脂質バランス(100gあたり118kcal・脂質7.0g)でありながら、牛より繊維がやわらかく食べやすいのが特徴です。1つあたり約200〜300gと牛より小ぶりで、もつ焼き店では串に刺して提供されることも多い部位。クセが少なく淡白で、下処理をきちんとすれば臭みもほとんど気になりません。ビタミンB12は2.5μgと牛ほど多くはありませんが、鉄は3.5mgと牛をわずかに上回ります。牛のコリコリが少し硬いと感じる人には、豚ハツのやわらかさがちょうどよいことも。価格も手に取りやすい傾向があり、家庭で内臓料理に挑戦する入口としても向いています。横隔膜のハラミなど、ほかの「食べやすいホルモン」と一緒に楽しむのもおすすめです。

あわせて読みたい
ハラミはどこの部位?実は内臓だった横隔膜の場所とサガリとの違いを徹底図解
焼肉店のメニューで必ず見かける「ハラミ」。赤身のようにジューシーで、カルビよりあっさりしていて食べやすい——そんな人気部位ですが、「ハラミって結局どこの部位なの…

生で食べても大丈夫?ハツの生食と安全のはなし

ハツについて調べていると「ハツ刺し」という言葉を見かけることがあります。新鮮な内臓を生で、というイメージに惹かれる人もいるかもしれませんが、生食には食中毒のリスクがつきものです。ここでは公的機関の情報をもとに、生食のルールと安全に食べるための考え方を整理します。健康に関わる話なので、正確な情報をおさえておきましょう。

牛レバーの生食は法律で禁止|ハツは対象外だが油断は禁物

大前提として知っておきたいのが、牛のレバー(肝臓)の生食は法律で禁止されているという事実です。厚生労働省によれば、平成24年(2012年)7月1日から、牛の肝臓を生食用として販売・提供することは食品衛生法で禁止されています。牛の肝臓内部に腸管出血性大腸菌(O157など)がいることがあり、安全に生で食べる方法がないためです。ハツ(心臓)はこのレバー規制の直接の対象ではありませんが、だからといって生で食べて安心というわけではありません。内臓を生で扱う以上、細菌による食中毒の可能性は残ります。「規制対象外=安全」ではない、という点はしっかり区別しておきたいところです。

生食には食中毒リスク|中心までしっかり加熱するのが基本

厚生労働省などの公的機関は、生や加熱不十分な食肉・内臓には食中毒の原因となる細菌が付着している可能性があるとして、しっかり加熱して食べるよう呼びかけています。ハツも例外ではなく、家庭で食べる際は中心部までしっかり火を通すのが基本です。目安として、中心部の色が変わり、赤い部分が残らない状態まで加熱すると安心感が高まります。生焼けのまま食べると、腹痛や下痢などの食中毒を起こすおそれがあります。せっかくのハツを安心して楽しむためにも、「レアがおいしい」という赤身肉の感覚を内臓にそのまま持ち込まないことが大切。加熱用として売られているものは、必ず加熱して食べましょう。

妊娠中・子ども・高齢者は特に加熱を|抵抗力が弱い人ほど慎重に

食中毒のリスクは、体の抵抗力によっても変わります。妊娠中の人、乳幼児、高齢者、体調がすぐれない人は、食中毒にかかると重症化しやすいとされ、生や加熱不十分な食肉・内臓は特に避けるべき対象です。ハツを含む内臓料理を家族で囲むときは、こうした人がいる場合ほど、中心までしっかり加熱することを徹底しましょう。焼き網では、生の肉に触れたトングや箸で焼けた肉を扱わないことも、二次汚染を防ぐ基本です。健康に関わる判断は、体調や年齢に応じて慎重に。心配な点があれば、自己判断せず医療機関や公的機関の情報を確認するのが安心です。

⚠️ 注意:ハツの生食と加熱について

牛レバーの生食は食品衛生法で禁止されています(厚生労働省)。ハツは規制の直接対象ではありませんが、生や加熱不十分な内臓には食中毒のリスクがあります。家庭では中心までしっかり加熱し、妊娠中・子ども・高齢者は特に生食を避けてください。詳しくは公的機関の情報をご確認ください。
厚生労働省「牛レバーを生食するのは、やめましょう」

家で失敗しないハツの下処理と焼き方のコツ

ハツはスーパーでも手に入り、家庭でも焼肉や炒め物で楽しめる部位です。ただし内臓ならではの下処理を省くと、臭みや食感で「失敗した」となりがち。ここでは、家でおいしく焼くための下ごしらえと火加減のコツを、具体的な手順で紹介します。ポイントを押さえれば、家庭でも店のような一皿に近づけます。

血のかたまりと白い管を取り除く|下処理を省くと臭みの原因に

ハツをおいしく食べる最大のコツは、丁寧な下処理です。心臓は血液に触れる臓器なので、内部に血のかたまり(血合い)が残っていることがあり、これが臭みの主な原因になります。よくある失敗が、この下処理を省いてそのまま焼いてしまい、「思ったより臭かった」とがっかりするパターン。対策はシンプルで、ハツを開いて内側の血のかたまりや白い管(血管)を取り除き、切ってから水や薄い塩水でしっかり洗い、血をよく落とすことです。氷水にさらすと血が抜けやすくなります。この一手間で、仕上がりの清潔感がまったく変わります。塊で買った場合は特に、下処理を惜しまないのがおいしさへの近道です。

強火で片面さっと|火は通しきりつつ焼きすぎない

ハツの焼き方は「強火でさっと、でも中心までしっかり」がキーワードです。薄切りのハツなら、よく熱した網やフライパンで片面を30秒〜1分ほど、両面を手早く焼くのが目安。心臓は動く筋肉なので、焼きすぎると水分が抜けて締まり、ゴムのように硬くなってしまいます。一方で、内臓なので生焼けは避けたいところ。表面に焼き色がつき、中心の赤みが消えてコリッとした弾力が残るくらいが食べごろです。厚めに切られている場合は火の通りを確認しながら、強火で表面を焼き、余熱も使って中心まで加熱しましょう。「さっと」と「しっかり」の両立が、ハツの食感を最大限に引き出すコツです。

下味・タレの合わせ方|塩・ごま油かタレでシンプルに

下処理を済ませたハツは、味付けもシンプルが基本です。淡白な味わいを活かすなら、塩とごま油、少しのニンニクやレモンでさっぱりと。素材のコリコリ感と軽い旨味がストレートに楽しめます。しっかりした味が好みなら、焼肉のタレや、しょうゆ・みりんベースの下味に漬けてから焼くのもおすすめ。タレに漬けると臭みがさらに気になりにくくなり、ご飯やお酒が進む一皿になります。炒め物にする場合は、ニラやもやしと合わせると、豚ハツのやわらかさや牛ハツの歯ごたえが引き立ちます。味付けに正解はないので、まずは塩で素材の味を知り、次にタレで、と食べ比べていくのが楽しみ方です。サガリなどほかの部位と焼き分けても、それぞれの個性が際立ちます。

あわせて読みたい
サガリとは?牛1頭に1本の希少部位|ハラミとの違いと288kcalの栄養を解説
焼肉屋のメニューで「サガリ」を見かけて、「ハラミと何が違うの?」「そもそもどこの肉?」と手が止まったことはありませんか。赤身っぽいのに内臓肉に分類され、店によっ…
🔥 ハツの下ごしらえ・焼き方の手順
Step1:ハツを開き、内側の血のかたまり・白い管(血管)を取り除く
Step2:食べやすく切り、水か薄い塩水・氷水でよく洗って血を落とす
Step3:塩・ごま油、または焼肉のタレで下味をつける
Step4:網・フライパンを強火で熱し、片面30秒〜1分ずつ、中心まで火を通す
完成! 中心の赤みが消え、コリッとした弾力が残るくらいが食べごろです

スーパー・焼肉店でおいしいハツを選ぶコツ

最後は、実際にハツを手に入れるときの選び方です。ハツは鮮度が味と安全性を左右する部位なので、見分け方を知っておくと失敗が減ります。スーパーでの選び方、シーン別のおすすめ、保存の注意点までまとめます。ちょっとした目利きで、ハツはぐっとおいしくなります。

色とツヤで鮮度を見分ける|黒ずんだものは避ける

ハツを選ぶときは、色とツヤをチェックしましょう。新鮮なハツは、鮮やかな赤〜赤褐色でしっとりとしたツヤがあります。逆に、全体的に黒ずんでいたり、表面が乾いてくすんでいたり、ドリップ(赤い液)が大量に出ているものは鮮度が落ちているサインなので避けるのが無難です。よくある失敗が、安さだけで見て変色したパックを選び、家で下処理しても臭みが取れなかったというケース。内臓は鮮度の落ちが早いので、見た目の鮮度は特に重要です。パックの消費期限も必ず確認し、なるべく加工日・消費期限が新しいものを選びましょう。信頼できる精肉店や、内臓の回転が速いお店で買うのも、鮮度を確保するコツです。

シーン別の選び方|焼肉・焼き鳥・自宅ダイエットで使い分け

ハツは食べるシーンによって選ぶ種類を変えると満足度が上がります。焼肉店でコリコリ食感をしっかり楽しみたいなら、歯ごたえのある牛ハツがおすすめ。焼き鳥屋や居酒屋で脂ののったジューシーさを味わいたいなら、鶏ハツが向いています。家でヘルシーに、たんぱく質を取りながらカロリーを抑えたい人には、低脂質な牛ハツや、やわらかく調理しやすい豚ハツが使い勝手抜群です。それぞれ、牛は128kcal、豚は118kcal、鶏は186kcalと数値の個性がはっきりしているので、目的に合わせて選べば失敗しません。「今日はどのハツ気分か」で選ぶと、内臓料理がぐっと身近になります。

買ったら早めに使い切る|保存は冷蔵より冷凍が安心

ハツは鮮度が命なので、買ったらできるだけ早く使い切るのが基本です。内臓は一般的な精肉より傷みやすいため、冷蔵で長く置くのは避けたいところ。当日か翌日に食べきれない場合は、下処理をして小分けにし、冷凍保存しておくと安心です。冷凍する際は、しっかり血を洗い落として水気を拭き、空気に触れないようラップと保存袋で包むと、におい移りや冷凍焼けを防げます。解凍は冷蔵庫でゆっくり戻すとドリップが出にくく、食感が保たれます。なお、保存期間の「絶対大丈夫な日数」を断言することはできません。消費期限を守り、少しでも異臭や強い変色があれば食べるのをやめる、という基本を守ることが、おいしさと安全の両立につながります。

Q. スーパーのハツが臭いのはなぜ?下処理でどこまで消える?
A. 臭みの主な原因は、内部に残った血のかたまり(血合い)です。開いて血のかたまりと白い管を取り除き、水や薄い塩水でよく洗えば、多くの臭みは軽減できます。それでも強い異臭がある場合は鮮度が落ちている可能性が高いので、無理せず使用を控えましょう。

まとめ|ハツとは心臓、コリコリ食感と高たんぱくが魅力の入門ホルモン

🥩 この記事の結論

ハツとは牛・豚・鶏の心臓で、コリコリ食感と高たんぱく低脂質が魅力の食べやすいホルモンです。まずは牛ハツを塩でシンプルに、中心までしっかり焼いて味わってみましょう。

✅ 要点チェック
  • 正体:ハツ=心臓、名前は「heart」由来
  • 食感:動く筋肉ゆえコリコリ、臭みは少なめ
  • 栄養:牛ハツ128kcal・たんぱく質16.5g
  • 安全:生食はリスク、中心まで加熱を
  • 選び方:色とツヤで鮮度を見極める

ハツとは、焼肉やもつ焼きでおなじみの「心臓」のこと。休まず動く筋肉ゆえのコリコリ食感、クセの少なさ、そして100gあたり128kcal・たんぱく質16.5gという高たんぱく低脂質のバランスが、この部位の魅力です。牛・豚・鶏で味も栄養も違うので、シーンや気分に合わせて選べるのも面白いところ。まずは次の焼肉で、牛ハツを塩とごま油でシンプルに頼んでみてください。下処理と焼き加減さえ押さえれば、家庭でもそのおいしさは十分に再現できます。

※栄養数値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づく目安です。生食・加熱に関する情報は変わる場合があるため、最新情報は厚生労働省など公的機関の公式サイトでご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『お肉の教科書』編集部。牛肉・豚肉・鶏肉の部位やホルモンの種類、焼肉をおいしく食べるコツ、お肉の選び方を、公的機関の情報や一次情報をもとにわかりやすく解説しています。

コメント

コメントする

目次