ホルモンの語源は放るもん説より意外?意味は医学用語、1905年命名の由来を焼肉好きが解説

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焼肉屋のメニューでおなじみの「ホルモン」。あのプリプリした内臓を頬張りながら、ふと「そもそもホルモンって何が語源なんだろう」「体の中のホルモンと同じ名前なのはなぜ?」と気になったことはありませんか。飲み会の席で「ホルモンって大阪弁の“放るもん(捨てるもの)”が由来なんだよ」と得意げに語られるのを聞いた人も多いはずです。

結論から言うと、その「放るもん」説は最も有名でありながら、実は近年では俗説とされる説明です。食べ物のホルモンの名前は、体内で働くあの「ホルモン」=医学用語と深くつながっています。語源をたどると、古代ギリシャ語の「刺激する」という言葉にまで行き着きます。

この記事では、ホルモンの語源にまつわる2つの説を整理し、どちらが有力なのかを一次資料をもとに解説します。医学用語としての意味、「もつ」との違い、部位ごとの栄養数値まで、焼肉好きの物知りな友人が隣で教えてくれる感覚で、まるごと知識にできる内容にまとめました。

📌 この記事でわかること

・ホルモンの語源にある「放るもん説」と「医学用語説」の中身と、どちらが有力か
・医学用語ホルモンの意味と、ギリシャ語までさかのぼる語源
・「ホルモン」と「もつ」「内臓」の呼び方の違い
・部位で大きく変わるホルモンのカロリー・タンパク質の数値と、安全な焼き方

目次

ホルモンの語源は2つある|まず結論から

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ホルモンの語源として語られる説は、大きく分けて2つあります。ひとつは関西弁の「放(ほう)るもん」が訛ったとする説、もうひとつは医学用語のドイツ語「Hormon」に由来するとする説です。世間で有名なのは前者ですが、言葉が使われ始めた時期を調べると、有力なのはむしろ後者だとわかります。まずは全体像を一枚の表でつかんでおきましょう。

比較項目 「放るもん」説 医学用語(Hormon)説
意味 大阪弁で「捨てるもの」 体を活性化させる物質
広まった時期 1970年代ごろ 明治〜大正以降
知名度 高い(俗説として有名) やや低い
現在の評価 裏付けが弱い俗説 有力とされる

語源として有名なのは「放るもん」説

いちばん耳にするのが、関西弁の「放るもん」由来説です。かつて牛や豚の内臓は食べる習慣が薄く、精肉のときに捨てられることが多かったため、大阪では「放(ほう)るもん=捨てるもの」と呼ばれていた。それが訛って「ホルモン」になった、という筋書きです。語感がぴったり合ううえ、内臓が“捨てられていた”という背景も分かりやすく、飲み会での鉄板ネタとして広く定着しました。ただし、この説明が広まったのは1970年代ごろとされ、後述する事実と時系列が合わない点が引っかかります。まずは「有名だが要検証」と覚えておくのが正解です。

もうひとつは医学用語「Hormon」説

もうひとつが、医学用語のホルモンに由来するという説です。ホルモンはドイツ語で「Hormon」、英語で「hormone」。動物の体内で組織や器官の働きを調節する物質の総称です。明治維新のころ、日本はドイツを中心とした西洋医学を取り入れました。栄養豊富な内臓を食べると活力がつく、というイメージから、この医学用語を料理名に転用したと考えられています。実際、内臓料理が「ホルモン料理」と呼ばれ始めた時期は、放るもん説が広まったよりずっと前です。語源の説得力という点では、こちらが一歩リードしています。

結論:有力なのは「医学用語」説

結論として、現在有力なのは医学用語説です。理由は明快で、「ホルモン」という言葉自体は1920年代にはすでに使われていたのに対し、「放るもん」説が語られ始めたのは1970年代だからです。つまり言葉が先にあり、あとから語呂合わせのような由来話が付け足された可能性が高いのです。とはいえ「放るもん」説が完全な嘘というわけではなく、内臓が捨てられがちだった実態を反映してはいます。見分け方としては、「時系列で考えると医学用語説が有力、放るもんは後付けの俗説」と押さえておけば、知ったかぶりで恥をかくこともありません。

「放るもん」説は俗説?信じる前に知りたい3つの事実

「放るもん」説を頭ごなしに否定する必要はありませんが、事実として弱い点がいくつもあります。ここでは、この説を鵜呑みにする前に知っておきたい3つのポイントを整理します。焼肉好き同士の会話で「それ、実は俗説らしいよ」と一歩踏み込める知識です。

Q. 「放るもん」説はいつから言われているの?
A. 大阪弁の「放るもん」が語源とする説が広まったのは1970年代ごろとされています。ところが「ホルモン」という言葉自体は1920年代にはすでに使われていたため、時系列が逆転しており、これが俗説とされる大きな理由です。

1970年代に広まった大阪弁説だった

「放るもん」説は、大阪の食文化を象徴する語呂合わせとして親しまれてきました。しかし、この説明が世に広まったのは1970年代ごろと見られています。語源というのは本来、言葉が生まれた瞬間にさかのぼるべきものですが、放るもん説は言葉が定着してから数十年後に登場した“後付けの解説”に近いのです。地方名物の由来話には、こうした語呂合わせ型の俗説が付きものです。「響きが似ているから正しい」とは限らない——これは食の雑学全般に言える落とし穴で、ホルモンの語源はその典型例と言えます。

1920年代には既に「ホルモン」が使われていた

決定的なのが、言葉が使われ始めた時期です。1920年代には、精力を増強する料理のことを「ホルモン料理」と呼ぶことが流行していました。放るもん説が広まる1970年代より、半世紀も前の話です。つまり「ホルモン」という呼び名が先に存在し、あとから「放るもんが訛った」という物語が加わった、と考えるのが自然です。ここでよくある勘違いが、「有名な説=正しい説」と信じ込んでしまう失敗です。SNSやまとめ記事では放るもん説が断定的に語られがちですが、原典に近い資料をたどると時系列が合いません。有名さと正確さは別物だと覚えておきましょう。

内臓=ホルモンという分類の身近な例としては、横隔膜のハラミがあります。焼肉では「肉」の顔をしていますが、分類上は内臓(ホルモン)です。

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戦前は内臓以外も「ホルモン料理」と呼んだ

もうひとつ見逃せないのが、戦前の「ホルモン料理」が指す範囲の広さです。当時は内臓料理に限らず、卵・納豆・山芋といった、いわゆるスタミナ料理全般をホルモン料理と呼んでいました。もし語源が「放るもん(捨てる内臓)」だったなら、内臓と関係ない納豆や山芋まで同じ名前で呼ばれる説明がつきません。この事実は、ホルモンが「捨てるもの」ではなく「体に活力を与えるもの」=医学用語由来だったことを強く示唆します。見分けるコツは、その言葉が最初にどんな範囲で使われたかを調べること。範囲が「スタミナ料理全般」だった時点で、放るもん説は分が悪いのです。

医学用語ホルモンの意味と語源をギリシャ語までさかのぼる

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食べるホルモンの由来が医学用語だとすれば、次に気になるのは「そもそも医学用語のホルモンとは何か」でしょう。健康診断や思春期の話で聞く「ホルモン」と、焼肉のホルモンは、語源をたどると一本の線でつながっています。ここでは意味と語源を、古代ギリシャ語のルーツまでさかのぼって解説します。

📌 医学用語ホルモンの語源まとめ

・語源は古代ギリシャ語「hormao(ホルマオ)=刺激する・動かす」
・1905年、イギリスの生理学者スターリングとベイリスが命名
・意味は「体内の器官や組織の働きを刺激・調節する物質の総称」

語源は古代ギリシャ語「hormao(刺激する)」

ホルモンの語源は、古代ギリシャ語の「hormao(ホルマオ)」です。「動かす」「刺激する」「興奮させる」「急き立てる」といった意味を持つ言葉で、体の働きを活発にするという性質を的確に表しています。命名者のひとりスターリングは、この言葉を古典学に詳しい友人から教わり、新しい生理活性物質の名前として採用したと伝えられています。ドイツ語の「Hormon」も英語の「hormone」も、このギリシャ語がルーツです。ポイントは、語源の意味が「刺激する=体を動かすもの」であること。焼肉のホルモンが「食べると活力がつく」というイメージで広まったのも、この原義とぴったり重なります。

1905年、スターリングとベイリスが命名

ホルモンという言葉が生まれた瞬間もはっきりしています。1902年、イギリスの生理学者アーネスト・スターリングとウィリアム・ベイリスが、小腸から分泌される「セクレチン」という物質を発見しました。彼らは当初これを「化学的伝令」と呼んでいましたが、1905年、スターリングが講演で初めて「hormone(ホルモン)」という言葉を使い、体内を巡って器官の働きを調節する物質の総称として定義しました。つまりホルモンは、わずか120年ほど前に生まれた比較的新しい科学用語です。日本の医学界もこれをカタカナのまま取り入れ、やがて料理名にも転用されていったと考えられます。

意味は「体の働きを刺激・調節する物質」

医学的な意味でのホルモンとは、体内の特定の器官(内分泌腺)でつくられ、血液に乗って別の器官へ運ばれ、その働きを刺激・調節する生理活性物質の総称です。インスリンや成長ホルモン、甲状腺ホルモンなど、種類は多岐にわたります。ごく微量で体全体のバランスを整える点が特徴で、まさに語源どおり「体を動かす」役割を担っています。ここで面白いのは、焼肉のホルモン(内臓)と医学のホルモン(分泌物質)が、名前を共有しながらも別物だということ。同じ言葉が「栄養で活力を与える食べ物」と「体を調節する物質」の両方を指すのは、明治以降に医学用語が生活へ溶け込んだ名残なのです。より詳しい定義は、下記の公的な辞典項目でも確認できます。

ホルモン(内分泌物質)の定義:Wikipedia

食べる「ホルモン」はなぜこう呼ばれた?名付けの背景

医学用語がルーツだとして、では実際にどんな経緯で内臓料理が「ホルモン」と呼ばれるようになったのでしょうか。ここには、栄養へのイメージと、大阪の一軒の洋食店が関わっています。名付けの背景を知ると、焼肉屋のメニューがぐっと味わい深く見えてきます。

Q. 内臓料理を「ホルモン料理」と呼び始めたのはいつ?
A. 文献上は1936年(昭和11年)の書籍『長寿料理』が初出のひとつとされます。昭和に入ると料亭や大阪の洋食店が内臓料理をホルモン料理として提供し、名前が定着していきました。

「栄養豊富で活力がつく料理」という発想

ホルモンという名が内臓料理に付いた背景には、「栄養豊富なものを食べると体に活力がつく」という発想があります。1920年代に流行した「ホルモン料理」は、もともと精力増強を狙ったスタミナ料理の総称でした。体を刺激・活性化する物質=ホルモンという医学イメージが、そのまま「食べて元気になる料理」の看板になったわけです。栄養豊富な内臓がその代表格として選ばれたのは自然な流れでした。ここで注意したいのは、「捨てるもの(放るもん)だから安い料理」という後年のイメージと、当初の「活力がつく高級な健康料理」というイメージが真逆だという点。名付けの原点は、むしろポジティブな栄養志向にありました。

大阪の洋食店・北極星と商標登録

名付けの具体例としてよく挙げられるのが、大阪の洋食店「北極星」です。同店は昭和初期に内臓料理を看板メニューとして提供し、牛の臓器から抽出した「ホルモン」を含有させた料理を「ホルモン料理」として商標登録した経緯が伝えられています。ここでも語源は「捨てるもの」ではなく、「体に良い成分を含む料理」という医学寄りの発想です。実在する店の記録が残っている点で、この経緯はかなり確度が高いといえます。焼肉のホルモンを、単なる余り物ではなく「栄養を売りにした一皿」として売り出した先人がいた——そう知ると、内臓メニューの見え方が変わってきます。

文献初出は1936年『長寿料理』

言葉の初出をたどると、1936年(昭和11年)の書籍『長寿料理』が「ホルモン料理」の初出のひとつとして知られています。タイトルからして「長寿」、つまり健康・栄養がテーマです。ここでも「放るもん」のニュアンスはなく、体に良いものというイメージで使われていることがわかります。文献という一次資料で時期を確認できるのは強みで、1936年という年は、放るもん説が広まる1970年代よりはるかに前です。豆知識として、「ホルモン料理は昭和初期の健康ブームから生まれた言葉」と押さえておくと、由来話をより正確に語れます。言葉の出発点は“ごちそう”だったのです。

「ホルモン」と「もつ」は何が違うのか

ホルモンとよく似た言葉に「もつ」があります。もつ鍋、もつ焼き、ホルモン焼き——どれも内臓料理ですが、この2つの言葉はどう違うのでしょうか。意味の違いを整理すると、メニュー選びや会話での使い分けがすっきりします。実は明確な線引きがあるようで、地域によって揺れる曖昧さも持っています。

呼び方 主な意味 ニュアンス
もつ 臓物(内臓全般) 食材そのものを指す
ホルモン 内臓・内臓料理 料理・調理の色が濃い
内臓 臓器の総称 最も中立・専門的

「もつ」は臓物(内臓全般)を指す言葉

「もつ」は、漢字で書くと「臓物(ぞうもつ)」。その「臓物」を省略した言葉で、牛・豚・鶏の内臓全般を指します。ホルモンより素朴で、食材そのものを表すニュアンスが強い言葉です。もつ煮込み、もつ鍋のように、家庭的で煮込み系の料理に多く使われる傾向があります。見分け方はシンプルで、「もつ=内臓という素材」「ホルモン=それを焼く・食べる料理」と捉えると混乱しません。ただし両者に厳密な定義の差があるわけではなく、地域や店によって同じ部位を「もつ」と呼んだり「ホルモン」と呼んだりします。まずは語源の違い——もつは臓物の略、ホルモンは医学用語由来——を押さえておけば十分です。

「ホルモン焼き」は料理・調理法としての側面が強い

一方の「ホルモン」は、内臓そのものを指すこともありますが、「ホルモン焼き」という言葉に代表されるように、料理・調理法としての色が濃い言葉です。前述のとおり、もともとは「活力がつく料理」という発想から生まれた名前でした。だからこそ、単なる素材名の「もつ」より、メニュー名・ブランド名として使われやすいのです。焼肉店で「ホルモン盛り合わせ」と書かれていれば、小腸や大腸などを焼いて食べる一皿を想像しますよね。豆知識として、関西では内臓焼き全般を「ホルモン」と呼ぶ文化が根強く、これも医学用語由来説が大阪発祥とされる背景と重なります。頬肉のツラミのように、部位名で呼ばれる内臓も含めて、ホルモンの世界は奥深いのです。

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地域で呼び方が変わる曖昧さもある

意外と知られていませんが、ホルモンともつの区別は地域によってかなり揺れます。九州では「もつ鍋」が定番語である一方、同じ内臓を関西では「ホルモン」と呼ぶことが多い。同じ小腸が、店によって「マルチョウ」「コプチャン」「ホルモン」と3つの名前で出てくることも珍しくありません。ここでやりがちな失敗が、「ホルモン=特定の部位」と思い込むことです。ホルモンはあくまで内臓の総称・料理名であって、特定の1部位を指す言葉ではありません。メニューで迷ったら、「これはどの部位ですか」と部位名で確認するのが確実です。呼び名の曖昧さも、内臓食文化が各地で独自に育った証だと思えば楽しめます。

部位で全然違う!ホルモンの栄養を数値で比べる

ホルモンは「脂っこくて高カロリー」というイメージがありますが、実は部位によって栄養は大きく異なります。低カロリー高タンパクな部位もあれば、脂質がたっぷりの部位もある。ここでは主要な牛ホルモンの数値を並べて、イメージと実際のギャップを見ていきましょう。数字で知っておくと、体調や目的に合わせた選び方ができます。

部位(100gあたり) カロリー タンパク質 脂質
レバー(肝臓) 119kcal 19.6g 3.7g
ミノ(第一胃) 166kcal 24.5g 8.4g
ハツ(心臓) 128kcal 16.5g 7.6g
シマチョウ(大腸) 150kcal 9.3g 13.0g
マルチョウ(小腸) 268kcal 9.9g 26.1g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとにお肉の教科書が作成

低カロリー高タンパクな部位もある

表を見てまず驚くのが、レバーやハツの数値です。レバーは100gあたり119kcalでタンパク質19.6g、脂質はわずか3.7g。ハツも128kcalとヒレ肉に近い水準で、赤身肉に匹敵する低脂質・高タンパクな部位です。「ホルモン=太る」という思い込みは、部位によっては当てはまりません。理由は明快で、レバーやハツは筋肉質な臓器で脂肪が少ないからです。スーパーで選ぶなら、たんぱく質をしっかり摂りたい人はレバー・ハツ・ミノが狙い目。ミノは166kcalながらタンパク質24.5gと、この表で最もタンパク質が多い部位です。数字を知っておくと、罪悪感なくホルモンを楽しめます。

脂質が高い部位は食べ方に注意

一方で、注意したいのがマルチョウ(小腸)です。100gあたり268kcal、脂質は26.1gと、この5部位で頭ひとつ抜けています。あのプリプリの食感と甘みは、まさにこの脂の多さから来るもの。おいしさの正体が脂質なので、食べ過ぎればカロリーはあっという間に膨らみます。ここでよくある失敗が、「ホルモンはヘルシーだから」とマルチョウを延々と追加してしまうパターンです。レバーの数値だけを見てホルモン全体を低カロリーと誤解すると、実際にはかなりの脂質を摂ってしまいます。対策はシンプルで、脂の多い小腸系はほどほどにし、レバー・ハツ・ミノと組み合わせてバランスを取ること。部位ごとの数値を知っているかどうかで、同じ焼肉でも結果が変わります。

シーン別・目的別の部位の選び方

数値がわかれば、目的に応じた選び方ができます。タンパク質を重視して体づくり中なら、ミノ(タンパク質24.5g)やレバー(19.6g)が心強い味方。カロリーを抑えたい日は、119kcalのレバーや128kcalのハツを中心に。逆に「今日はごほうび」という日は、脂の甘いマルチョウを主役にしても良いでしょう。鉄分を意識したいときはレバー、コリコリした歯ごたえを楽しみたいときはミノやハツ、という食感基準の選び方も便利です。ポイントは、ホルモンをひとくくりにせず、部位ごとの個性で選ぶこと。呼び名の語源だけでなく、栄養の中身まで知ると、焼肉の網の上の解像度がぐっと上がります。

横隔膜の一部であるサガリも、内臓ながら赤身に近い食感で人気の部位です。

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ホルモンを安全においしく焼く3つのコツ

語源と栄養がわかったら、最後は実践編です。ホルモンは新鮮さと火の通し方がおいしさと安全性を左右します。特に内臓は、加熱の考え方が普通の肉と少し違います。ここでは、家焼肉でも焼肉店でも役立つ、安全でおいしい焼き方のコツを解説します。

⚠️ 注意:内臓は中心までしっかり加熱を

牛の内臓、特にレバーは生食が法律で禁止されています。厚生労働省は、2012年7月1日から牛レバーの生食用としての販売・提供を禁止し、中心部までの十分な加熱(中心部が63℃で30分間以上、または75℃で1分間以上など)を呼びかけています。ホルモンは中心まで火を通して食べるのが基本です。

内臓は中心までしっかり火を通す

ホルモンを食べるうえで最優先なのが、しっかり加熱することです。牛や豚の内臓には食中毒の原因となる菌が付着していることがあり、加熱不足はリスクにつながります。厚生労働省は、牛レバーについて2012年7月1日から生食用の販売・提供を禁止し、中心部まで十分に加熱するよう求めています。焼肉店でレバーやハツ、小腸を焼くときは、表面だけでなく中心まで色が変わり、脂や肉汁が澄むまで焼くのが目安です。「赤みが残っているのがおいしい」という考えは、赤身肉には通じても内臓には当てはまりません。判断に迷ったら、公的な情報を確認するのが確実です。

牛レバーを生食するのはやめましょう:厚生労働省

新鮮なホルモンの見分け方

おいしさは鮮度で決まります。ホルモンは肉より傷みが早いため、購入時のチェックが大切です。見分け方の基本は、色とにおいと弾力。小腸やシマチョウは、白い脂の部分がくすんでおらず、身にハリと弾力があるものが新鮮です。レバーはツヤのある濃い赤褐色で、表面が乾いていないものを選びます。ドリップ(赤い液)が大量に出ているパックは避けましょう。豆知識として、ホルモンは買ったその日か翌日までに食べ切るのが安心です。冷凍保存もできますが、解凍後は再冷凍せず一度で使い切るのが鉄則。新鮮なうちに火を通すことが、安全とおいしさの両方を守ります。

プリプリに焼き上げる手順

小腸やシマチョウを最高の食感で楽しむには、焼く順番と火加減にコツがあります。基本は「皮目(外側)から焼き、脂を落としすぎない」こと。脂の面から焼き始め、こんがり色づいたら返し、中心までしっかり火を通します。強火で一気に焦がすと外は硬く中は生になりやすいので、中火でじっくりが安全でおいしい焼き方です。以下のステップを参考にしてください。

🔥 ホルモン(小腸・シマチョウ)の焼き方手順
Step1:網やフライパンを中火で十分に予熱する
Step2:脂のついた面(皮目)を下にしてのせる
Step3:脂が透き通ってきたら一度だけ返す
Step4:中心まで火が通り、肉汁が澄むまで焼く
完成! 焦がしすぎず、中心までしっかり火が通ったら食べ頃です

まとめ:ホルモンの由来、結局どっちが正しい?

🥩 この記事の結論

ホルモンの語源は「放るもん」より、医学用語のドイツ語Hormon由来説が有力です。まずは部位ごとの栄養を知り、中心まで加熱して楽しみましょう。

✅ 要点チェック
  • 2つの説:放るもん説と医学用語説がある
  • 有力なのは:医学用語(Hormon)由来説
  • 語源:ギリシャ語hormao=刺激する
  • もつとの違い:もつは素材、ホルモンは料理寄り
  • 安全:内臓は中心までしっかり加熱

ホルモンの語源を調べると、飲み会で語られがちな「放るもん(捨てるもの)」説は、言葉が使われ始めた時期と合わない俗説だとわかります。有力なのは、明治以降に日本へ入った医学用語ホルモン——ギリシャ語の「刺激する」に由来し、1905年に命名された言葉——から、「食べると活力がつく料理」として名付けられた説です。名前の出発点は“捨て物”ではなく、むしろ栄養を売りにした一皿でした。まずは次に焼肉へ行ったとき、メニューの部位名と栄養を思い出しながら、中心までしっかり焼いて味わってみてください。語源を知るだけで、いつものホルモンがひと味違って感じられるはずです。

※栄養成分は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づく数値です。食品の安全に関する最新情報は、厚生労働省など公式の情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

『お肉の教科書』編集部。牛肉・豚肉・鶏肉の部位やホルモンの種類、焼肉をおいしく食べるコツ、お肉の選び方を、公的機関の情報や一次情報をもとにわかりやすく解説しています。

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