焼肉屋のメニューで隣り合わせに並ぶ「マルチョウ」と「シマチョウ」。どちらも牛の腸だとは何となくわかっても、「何がどう違うの?」「注文するならどっち?」と聞かれると、意外と答えに詰まる人が多い部位です。ぷりっとした脂のかたまりがマルチョウ、平たくて縞模様が入っているのがシマチョウ——見た目は似ているようで、実は取れる場所も、脂の量も、焼き方のコツもまったく違います。
結論から言うと、マルチョウは牛の「小腸」、シマチョウは牛の「大腸」です。マルチョウは脂がとろけるジューシー系、シマチョウは噛むほど旨みが出る歯ごたえ系。カロリーで見るとマルチョウが100gあたり268kcal、シマチョウが150kcalと、同じ腸でも数字がはっきり分かれます。この違いさえ押さえれば、焼肉店でもスーパーでも迷いません。
この記事では、マルチョウとシマチョウの違いを「部位・栄養・食感・焼き方・呼び名・安全な食べ方」の6つの角度から、焼肉好きの目線でとことん整理します。読み終える頃には、次の焼肉で自信を持って注文できるようになっているはずです。
・マルチョウ(小腸)とシマチョウ(大腸)の部位・見た目・名前の由来の違い
・カロリー・脂質・タンパク質を数値で比較(脂質はおよそ2倍差)
・とろけるマルチョウとプリプリのシマチョウ、それぞれの正しい焼き方
・コプチャン・テッチャンなど呼び名の違いと、安全に食べる加熱のルール
マルチョウとシマチョウの違いは「小腸か大腸か」で決まる

マルチョウとシマチョウは、どちらも牛のホルモン(内臓)で「腸」の部位という点は共通しています。決定的な違いは、消化管のどこを使っているか。マルチョウは小腸、シマチョウは大腸です。この一点を軸にすると、脂の量も食感も名前の由来も、すべて筋が通って理解できます。まずは全体像を早見表でつかみましょう。
| 比較項目 | マルチョウ | シマチョウ |
|---|---|---|
| 部位 | 牛の小腸 | 牛の大腸 |
| 見た目 | 丸くぷっくり・脂が内側 | 平たい・横縞(ひだ)模様 |
| 脂の量 | 多い(とろける) | 中程度(厚みで食べ応え) |
| 食感 | 外カリッ・中ジューシー | 噛むほど旨み・弾力 |
| 別名 | コプチャン・丸腸・ヒモ | テッチャン・シマ |
マルチョウは牛の小腸を裏返した「脂の筒」
マルチョウの正体は牛の小腸です。成牛の小腸は全長約40メートルにもなる長い管状の臓器で、外側にたっぷりの脂がついています。この脂を無駄にしないよう、筒状の小腸を裏返して脂を内側に閉じ込め、短く切って丸い筒状に整えたものがマルチョウ。「丸い腸」だから「丸腸(マルチョウ)」というわけです。
脂が内側に包まれているので、焼くと脂がじわっと溶け出し、外側はカリッ、中はとろけるジューシーさになります。見分け方は簡単で、精肉コーナーやメニュー写真で「白くて丸い筒がコロコロ並んでいる」ものはほぼマルチョウ。地域や店によっては「ヒモ」「コプチャン」と表示されることもあります。脂が命の部位なので、鮮度が落ちて脂が黄ばんだものは避けるのがコツです。
シマチョウは大腸、名前の由来は表面の縞模様
シマチョウは牛の大腸です。名前の由来はそのままで、表面に横方向の縞(しま)模様が入っていることから「シマチョウ」と呼ばれます。この縞の正体は、大腸の内側にある無数のひだ。マルチョウのように丸めず、平たく開いた状態で提供されることが多いため、模様がはっきり見えます。
大腸は小腸ほど脂がのっていませんが、その分だけ腸壁に厚みがあり、噛みごたえのある弾力が生まれます。焼肉店で「平たくて縞のある、少し厚みのあるホルモン」が出てきたら、それがシマチョウ。関西では「テッチャン」の名前で並ぶことも多く、同じものを指しています。見た目で「丸いか・平たいか」を見るだけで、マルチョウとシマチョウはほぼ一発で区別できます。
同じ「腸」でも小腸と大腸で役割が違う
そもそも小腸と大腸は、牛の体内での役割が違います。小腸は栄養を吸収する器官で、周囲に脂肪が多く蓄えられます。これがマルチョウの脂の甘さの源。一方、大腸は水分を吸収して便を形づくる器官で、しっかりした筋肉質の壁を持ちます。これがシマチョウの弾力と食べ応えにつながっています。
つまり「マルチョウ=脂、シマチョウ=食感」という味わいの差は、たまたまではなく臓器としての機能の違いから生まれる必然です。ここを理解しておくと、「今日は脂でガツンといきたいからマルチョウ」「よく噛んで旨みを楽しみたいからシマチョウ」と、その日の気分で選び分けられるようになります。ちなみに同じ内臓系でも、横隔膜を使うハラミは腸とはまったく別物。内臓ホルモンの奥深さがよくわかります。

焼肉店のメニューで必ず見かける「ハラミ」。赤身のようにジューシーで、カルビよりあっさりしていて食べやすい——そんな人気部位ですが、「ハラミって結局どこの部位なの…
脂とカロリーはここまで違う|栄養を数値で比較
「どちらも脂っこいホルモン」と一括りにされがちですが、栄養成分を並べると差は歴然です。文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の数値をもとに、マルチョウ(小腸)とシマチョウ(大腸)を100gあたりで比較してみましょう。とくに脂質はおよそ2倍の開きがあります。
| 100gあたり | マルチョウ(小腸) | シマチョウ(大腸) |
|---|---|---|
| エネルギー | 268kcal | 150kcal |
| たんぱく質 | 9.9g | 9.3g |
| 脂質 | 26.1g | 13.0g |
| 亜鉛 | 1.2mg | 1.3mg |
| 鉄 | 1.2mg | 0.8mg |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(お肉の教科書調べ)
カロリーはマルチョウが約1.8倍、脂質はほぼ2倍
数字で見ると、マルチョウ268kcalに対しシマチョウは150kcal。マルチョウのほうが約1.8倍のカロリーです。差の主役は脂質で、マルチョウ26.1gに対しシマチョウは13.0gと、ちょうど2倍前後の開きがあります。「マルチョウを食べると口の中で脂がとろける」あの感覚は、この数値の裏付けそのものです。
ここで注意したいのが、これは生の状態100gあたりの数値だということ。焼くと脂が落ちるため、実際に口に入るカロリーはやや下がります。とはいえ、体重や脂質が気になる人がホルモンを楽しむなら、脂の少ないシマチョウのほうが数字上はやさしい選択。逆に「今日はしっかり脂を味わいたい」ならマルチョウ、と数値を知っておくと選び方に迷いがなくなります。
タンパク質は互角、実は差が小さい
脂質では大きく差がつく一方、タンパク質はマルチョウ9.9g、シマチョウ9.3gとほぼ互角です。どちらも牛の赤身肉(100gあたり20g前後)と比べるとタンパク質量は控えめで、腸は「タンパク質をがっつり摂る部位」というよりは「脂と食感を楽しむ部位」だと捉えるのが正確です。
ここを誤解して「ホルモンは低カロリー高タンパクのヘルシー食材」と思い込むと、脂質の多いマルチョウでカロリーを摂りすぎることになりかねません。タンパク質補給が目的なら赤身肉、脂と食感の満足感を求めるならホルモン、と役割を分けて考えるのがおすすめです。ホルモンはあくまで「嗜好性を楽しむ部位」と位置づけましょう。
亜鉛・鉄などのミネラルはどちらも優秀
見落とされがちですが、腸には亜鉛や鉄といったミネラルも含まれます。亜鉛はマルチョウ1.2mg、シマチョウ1.3mgとほぼ同じ。鉄はマルチョウ1.2mg、シマチョウ0.8mgで、鉄はマルチョウのほうがやや多く含まれています。亜鉛は味覚や皮膚の健康に、鉄は貧血予防に関わる大切なミネラルです。
もちろんホルモン100gを一度に食べる機会は少ないので、これだけでミネラルを大量に補える、という話ではありません。ただ「脂っこいだけの部位」ではなく、赤身肉とは違うミネラルもきちんと持っている——そう知っておくと、ホルモンを食べる罪悪感が少し軽くなるはずです。栄養は文部科学省の食品成分データベースで誰でも確認できます。
とろけるマルチョウ、噛むシマチョウ|食感と味の違い

マルチョウとシマチョウを一度でも食べ比べれば、その食感の差にすぐ気づきます。脂で「とろける」マルチョウと、弾力で「噛みしめる」シマチョウ。この対照的な個性は、部位の構造と脂の量からくる必然です。ここでは味わいの違いを深掘りし、好みで選ぶヒントを紹介します。
マルチョウ=脂の甘みととろける食感で「ジューシー担当」。シマチョウ=厚い腸壁の弾力と噛むほどにじむ旨みで「食べ応え担当」。同じ腸でも真逆の楽しみ方ができます。
マルチョウの魅力は脂がはじけるジューシーさ
マルチョウの一番の魅力は、噛んだ瞬間に脂がはじけるジューシーさです。裏返しにして内側に閉じ込めた脂が、焼くことで熱せられ、口の中で一気に溶け出します。外側は香ばしくカリッと焼け、中はとろとろ。この「カリッ×とろ」のコントラストが、多くのホルモン好きを虜にする理由です。
脂の甘みが強いので、味付けは塩でもタレでも好相性。とくに脂の甘さを楽しむなら塩、こってり満足したいならタレ、と使い分けると良いです。注意点は、脂が多いぶん焼きすぎると脂が抜けてパサつくこと。脂を落としすぎず、しかし中まで火を通す——このバランスがマルチョウを美味しく食べる分かれ道になります。焼き方は次のH2で詳しく解説します。
シマチョウは噛むほど旨みがにじむ弾力系
シマチョウの持ち味は、厚みのある腸壁ならではの弾力と、噛むほどにじみ出る旨みです。マルチョウほど脂は多くありませんが、その分だけ肉質にコシがあり、しっかりした食べ応えがあります。よく噛むことで脂と旨みが少しずつ出てくるので、「じっくり味わう」タイプの部位です。
厚みがあるぶん火の通りに時間がかかり、生っぽいと独特のクセを感じやすいのが特徴。逆にしっかり焼けば臭みが飛び、香ばしさと甘みが引き立ちます。もつ鍋の主役として煮込みに使われることが多いのも、長く加熱してもかたくなりすぎず、旨みが出るシマチョウならでは。焼くなら弾力を、煮込むなら柔らかさと出汁を楽しめる、二面性のある部位です。
実は「脂が多い=美味しい」とは限らない
意外と知られていないのですが、ホルモン初心者ほど「脂が多いマルチョウのほうが美味しい」と思い込みがちです。しかし脂は好みが分かれる要素でもあり、脂が重く感じる人にはむしろシマチョウの方が食べやすい、というケースも少なくありません。実際、噛むほど旨みが出るシマチョウのファンは根強くいます。
つまり「脂の量=美味しさ」ではなく、「自分が脂ととろけ食感が好きか、弾力と噛む旨みが好きか」で選ぶのが正解。焼肉店で初めて頼むなら、両方を一皿ずつ頼んで食べ比べるのが一番の近道です。脂で選ぶかテクスチャーで選ぶか——この視点を持つだけで、ホルモン選びはぐっと楽しくなります。同じ内臓好きなら、頬肉のツラミも食感の違いが楽しい部位です。

焼き方で天と地の差|生焼けと焦がしすぎを防ぐコツ
ホルモンは焼き方ひとつで美味しさが激変する部位です。とくにマルチョウとシマチョウは脂の量も厚みも違うため、同じ焼き方では失敗します。ここでは部位別の焼き方の手順と、家焼肉でありがちな失敗を、原因と対策セットで解説します。
マルチョウは脂の面を焦がさず皮からじっくり
マルチョウは脂が命なので、脂を落としすぎないことが最大のポイントです。網に乗せるときは、まず脂のついていない皮の面を下にして焼き、脂が内側で温まるのを待ちます。強火で一気に脂の面を焼くと、脂が滴り落ちて炎が上がり、表面だけ真っ黒に焦げて中は生、という最悪の状態になりがちです。
目安は中火。皮面がぷっくり膨らみ、内側の脂がふつふつと沸いてきたら裏返しのサインです。裏返したら短時間で仕上げ、脂を閉じ込めたまま口へ運びます。「表面がカリッ、中の脂がとろっ」を狙うなら、じっくり皮から焼いて脂を守るのが鉄則。焦って何度もひっくり返すと脂が抜けてしまうので、触りすぎないことも大切です。
シマチョウは厚みがある分、中心までしっかり火を通す
シマチョウはマルチョウより腸壁に厚みがあるため、中心まで火を通すのに時間がかかります。皮の面からじっくり焼き、弾力が出て縮んできたら裏返します。厚みがあるので焦らず、中火でじっくり両面を焼き上げるのがコツ。表面が香ばしく色づき、噛んでみて弾力が出ていれば焼き上がりです。
シマチョウは生っぽいと独特のクセと臭みを感じやすいため、「もう少し焼けているかな?」というくらいまで加熱するのがちょうど良い塩梅。逆に、弾力のある部位なので焼きすぎてもマルチョウほどパサつきにくく、初心者でも扱いやすい面があります。しっかり焼いて香ばしさと甘みを引き出しましょう。
【失敗パターン1】強火で脂の面から焼いて丸焦げ
家焼肉で一番多い失敗が、マルチョウを強火で脂の面から焼いてしまうケースです。原因は「早く焼きたい」という焦り。脂の面を強火に当てると、溶け出した脂に火が引火して炎が上がり、表面は黒焦げ、中は生のまま——見た目も食感も台無しになります。
対策はシンプルで、火加減は中火、まず皮の面から焼くこと。炎が上がったら慌てず、肉を網の端の火力が弱い場所へ移動させます。ホルモンは「じっくり待つ」のが正解で、強火で急ぐと必ず失敗します。焦げと生焼けを同時に防ぐには、脂を味方につける気持ちで、火から少し距離を取るイメージを持つと成功率が上がります。
コプチャン・テッチャン…呼び名が違うのはなぜ?

焼肉店のメニューを見ると、マルチョウやシマチョウではなく「コプチャン」「テッチャン」と書かれていることがあります。同じ部位なのに名前がいくつもあるのは、地域や言語によって呼び方が変わるから。ここで呼び名を整理しておけば、どんなメニューでも迷いません。
コプチャンは韓国語で小腸、マルチョウと同じ
「コプチャン」は韓国語で小腸を意味する言葉で、日本のマルチョウとほぼ同じ部位を指します。韓国料理の店では「コプチャン」の名でメニューに載っていることが多く、鉄板で焼く「コプチャン焼き」も人気です。呼び方が違うだけで、脂がとろける丸い小腸という中身は変わりません。
ただし店によっては、コプチャンを小腸だけでなく腸まわり全般をやや広く指して使うこともあります。厳密な線引きは店ごとに差があるので、脂ののり具合や見た目で判断するのが確実。「丸くて脂が多ければ小腸系」と覚えておけば、コプチャンでもマルチョウでも同じ楽しみ方ができます。
テッチャンは関西を中心に使われる大腸の呼び名
「テッチャン」は主に関西を中心に使われる、大腸=シマチョウの呼び名です。語源は韓国語で大腸を指す言葉とされ、関西の焼肉店では「テッチャン」表記が定番。関東で「シマチョウ」と呼ばれるものと、中身は同じ大腸です。厚みのある腸壁の弾力と噛むほどの旨みも、もちろん共通しています。
つまり、地域が変わると同じ部位でも看板の名前が変わるということ。旅行先の焼肉店で見慣れない名前を見ても、「テッチャン=シマチョウ=大腸」とわかっていれば安心して注文できます。呼び名の違いは、その土地のホルモン文化の名残でもあり、知っておくと焼肉がちょっと楽しくなる豆知識です。
シロやホルモンとの違いも整理しておこう
混同しやすいのが「シロ」や単なる「ホルモン」という呼び方です。「シロ」は一般的に豚の腸を指すことが多く、牛のマルチョウとは別物。店で「シロ」と書かれていたら豚の可能性が高いと考えましょう。また「ホルモン」という言葉自体は、もともと牛や豚の内臓全般を指す総称で、腸に限りません。
つまりホルモンという大きな枠の中に、小腸(マルチョウ・コプチャン)や大腸(シマチョウ・テッチャン)が含まれるという構造です。メニューで迷ったら、店員さんに「これは牛ですか豚ですか」「小腸ですか大腸ですか」と聞くのが確実。名前より「どの動物の・どの部位か」を確認する習慣をつけると、失敗がなくなります。ホルモン全体を俯瞰したいなら、内臓部位の分類を押さえておくと理解が早まります。

焼肉店のメニューで必ず隣り合っている「カルビ」と「ハラミ」。どちらも赤身がかった見た目で、正直「味は違うけど、何がどう違うの?」と聞かれると答えに詰まる人が多い…
ホルモンを安全に食べるための加熱ルール
脂の甘みや食感を楽しむホルモンですが、内臓だからこそ知っておくべき安全のルールがあります。とくに腸は食中毒菌のリスクがある部位。厚生労働省の情報をもとに、家焼肉でも守りたい加熱の基本と、やりがちな失敗を確認しておきましょう。
厚生労働省によると、腸管出血性大腸菌O157は75℃で1分間以上の加熱で死滅します。ホルモン(内臓)は中心部までしっかり火を通してから食べましょう。また牛レバーの生食用としての販売・提供は、食中毒予防のため平成24年(2012年)7月から禁止されています。
腸は中心まで加熱、生焼けは絶対に避ける
腸は消化管の一部であり、腸管出血性大腸菌などの食中毒菌が付着している可能性があります。厚生労働省によれば、これらの菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅するため、ホルモンは中心部まで十分に加熱することが安全の絶対条件です。表面だけ焼けていても、中が生では意味がありません。
とくにシマチョウは厚みがあり火が通りにくいので、「少し焼きすぎかな」というくらいまで加熱するのが安心です。マルチョウも、外がカリッとしていても中の脂が沸いて全体に火が回っているかを確認しましょう。焼肉は自分で火加減を管理できるからこそ、生焼けのまま口に運ばない意識が大切。おいしさと安全は、しっかり焼くことで両立します。
【失敗パターン2】表面だけ焼けて中が生のまま食べてしまう
ホルモンでありがちな二つ目の失敗が、表面の焦げ目を「焼けたサイン」と勘違いして、中が生のまま食べてしまうケースです。原因は、脂や皮の表面がすぐ色づくため、火が通ったように見えてしまうこと。とくに厚いシマチョウや、脂の多いマルチョウで起こりやすい失敗です。
対策は、焦げ目ではなく「中心まで火が通ったか」で判断すること。厚みのある部位は一度箸で切ってみて、断面が生っぽくないかを確認すると確実です。時間をかけて中火でじっくり焼き、不安なら少し長めに加熱する。ホルモンは半生を狙う部位ではありません。安全のためには「しっかり焼く」を徹底しましょう。判断に迷う情報は、厚生労働省の公式ページで確認できます。
新鮮なホルモンを選び、早めに火を通す
安全に食べるうえで、加熱と同じくらい大切なのが鮮度です。ホルモンは肉の中でも傷みやすい部位。購入したらできるだけ早く調理し、保存する場合も低温を保ちましょう。マルチョウは脂が黄ばんだり酸化したりすると風味が落ちるので、白くつやのある新鮮なものを選ぶのがポイントです。
シマチョウも、変色やぬめり、強い異臭があるものは避けましょう。スーパーで買う場合は消費期限を確認し、購入後は保冷して持ち帰るのが基本。下処理済みで売られているものが多いですが、気になる場合は軽く洗って水気を拭き取ってから焼くと臭みが和らぎます。新鮮なホルモンを、しっかり加熱して食べる——これが美味しさと安全の両方を守る近道です。
マルチョウとシマチョウはどっちを選ぶ?シーン別の使い分け
マルチョウとシマチョウ、結局どっちを選べばいいのか。答えは「シーンと好みによる」です。脂を楽しむ日、食べ応えが欲しい日、カロリーを抑えたい日——目的によって最適解は変わります。ここでは具体的なシーン別に、選び方のヒントを紹介します。
| 脂でガツンと満足したい | マルチョウ(小腸) |
| 噛む食べ応えを楽しみたい | シマチョウ(大腸) |
| カロリー・脂質を抑えたい | シマチョウ(150kcal) |
| もつ鍋・煮込みに使いたい | シマチョウが定番 |
家焼肉で脂を楽しむならマルチョウ
家焼肉でホルモンの醍醐味を味わいたいなら、まずマルチョウがおすすめです。脂がとろけるジューシーさは、焼きたてを頬張ったときの満足感が格別。ビールやハイボールとの相性も抜群で、こってり系が好きな人にはたまりません。塩でもタレでも合うので、味変も楽しめます。
注意点は、脂が多いぶん食べ続けると重くなりやすいこと。何皿も脂系が続くと胃もたれしやすいので、赤身やサラダ、キムチなどさっぱりしたものと交互に食べるとバランスが取れます。マルチョウは「主役として少量を存分に楽しむ」のが上手な付き合い方。脂の甘みを味わう贅沢な一皿として位置づけましょう。
もつ鍋や煮込みならシマチョウが定番
もつ鍋や煮込み料理に使うなら、シマチョウが定番です。厚みのある腸壁は長時間煮込んでもかたくなりにくく、じっくり火を通すことで柔らかくなり、旨みのある出汁がスープに溶け出します。焼いて弾力を楽しむシマチョウが、煮込むと一転してとろりと柔らかくなる——この変化もシマチョウの魅力です。
もちろんマルチョウを鍋に入れても美味しいですが、脂が多いためスープが重くなりやすい傾向があります。あっさりした出汁を活かしたいなら大腸系のシマチョウ、脂のコクを効かせたいならマルチョウ、と使い分けるのがおすすめ。家庭でもつ鍋を作るときは、この違いを意識すると仕上がりがぐっと本格的になります。
カロリーが気になる日はシマチョウを選ぶ
脂質やカロリーが気になる日は、シマチョウを選ぶのが賢い選択です。100gあたりマルチョウ268kcalに対しシマチョウ150kcalと、その差は118kcal。脂質もほぼ半分なので、同じホルモンを楽しみつつカロリーを抑えられます。噛みごたえがあるぶん満足感も得やすく、食べ過ぎ防止にもつながります。
とはいえ、ホルモンは焼くと脂が落ちるため、数値ほど神経質になる必要はありません。大切なのは「今日は脂を控えめにしたい」という日に、選択肢を知っていること。マルチョウとシマチョウの数値の違いを頭に入れておけば、その日の体調や気分に合わせて上手に選び分けられます。無理な我慢ではなく、賢い選択でホルモンを楽しみましょう。
まとめ:マルチョウとシマチョウの違いは部位・脂・食感の3点
マルチョウとシマチョウの違いは、「小腸か大腸か」という部位の差から、脂の量・カロリー・食感まですべてつながっています。脂の甘みととろける食感を求めるならマルチョウ、噛むほどの旨みと食べ応え、そして煮込み料理を楽しむならシマチョウ。まずは次の焼肉で両方を一皿ずつ頼み、自分の好みがどちらかを確かめてみてください。食べ比べれば、その違いは一目瞭然です。
※栄養成分は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づく生100gあたりの数値です。価格や取り扱いは店舗により異なるため、最新情報は各公式情報でご確認ください。


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